167話 情けないわ ページ34
『そっか…。1人になっていたのは私の方だったのか…』
気づいたら、月愛の頬には1粒の涙が。
『ありがとう、風丸。私やっと気づいた。
私の悩み、聞いてくれる?』
風丸「ああ。もちろんだ」
月愛の涙を手で拭いながら答えた風丸。
『…少し、海を歩こうか』
…………
…………………………
海岸
波がザーザー打つ中、2人の足音が聞こえる。
『私ね、風丸が言った通りブラジル戦が終わった後、落ち込んでいたの。
進化させた私の必殺技が止められてしまってね…。
もう、私の必殺技は世界に通用しないのかなって思ったら余計に』
風丸「やっぱり、そうだったのか…」
『みんなが進化していく中、私はこのままでいいの?って何回も思って、
この前の、チームガルシルドの円堂の新しい必殺技の予兆を観たら、いてもたってもいられなくって、ここで練習をしていたってわけ。
みんなに言わずに練習していたは、「星の妖精」と呼ばれている私のちょっとしたプライドが働いたのかな…』
風丸「…そっか」
『…情けないわよね!
星の妖精って呼ばれてる天才少女が、他のみんなが進化していくことに嫉妬して、こんなボロボロになりながら必殺技の特訓をしてるなんて……はは…。
ほんと、情けない……』
風丸「情けなくなんかない」
『はは、ほんと風丸は優しいね。いいのよ、話を聞いてくれるだけで私は_____』
風丸「違う。お前は俺よりよっぽど強い」
『え?どういうこと?』
聞き返すと、風丸は少し躊躇いながらも
風丸「今から、俺のちょーかっこ悪い話するけど、いいか?」
『う、うん…』
2人は、海岸に流れ着いた丸太に腰を掛ける。
風丸「月愛と出会う前、俺たちは、学校の破壊を目論む、ある強いサッカーチームと戦うことになった。
そのチームはとても強くてな。
やっと倒したと思ったら、またそれより強いチームが現れ、俺は次第に病んでいった…」
風丸にも、そんなことが……。
風丸「俺は、チームから抜けた。自分のサッカーが通用しないことに嫌気がさして。チームのみんなが引き留めようとしたにも関わらずにな。
ある日、俺の抜けたチームが、強いサッカーチームを倒して帰ってきた。
でも俺はその時、とても大きな過ちを犯していた」
『大きな、過ち…?』
風丸「俺は、抜けたチーム、円堂たちのチームに勝負を申し込んだ。
自分の力じゃなく、他人がくれた力でな」
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Luna(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます!続き頑張ります! (2018年6月8日 11時) (レス) id: 10749a92aa (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - アリスさん» うわぁあ(´;ω;`)なんという嬉しい言葉……! (2018年6月8日 11時) (レス) id: 10749a92aa (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 続きが楽しみ!応援してます! (2018年6月8日 7時) (レス) id: b7d52f06e3 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - Lunaさん» もう本当に愛読させてもらってます!!確かにアニメでは無かったので「おぉ!!推しが絡んどる!!」みたいな感じになってましたwLunaさんという最高の作者がいて作者がいて私も幸せです! (2018年6月8日 3時) (レス) id: ed1ad449ae (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - アリスさん» いつもコメントありがとうございます! 風丸と佐久間の絡みは、アニメではあまりなかったので書いてみましたw アリスさんという愛読者がいてくれて私は幸せです!頑張ります! (2018年6月7日 11時) (レス) id: 10749a92aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Luna | 作成日時:2018年3月29日 14時