【ｄ！】保健室登校のあの子【男主】

4話 ページ6

それから数日後


目を覚まして壁掛け時計をみると、13時を指していた。

カーテンは閉め切っているけど、この時間でこの暗さ…さては天気悪いな？


ピカッ ゴロゴロ……

『…頭痛い』

声を出すのもめんどくさい。偏頭痛ほど苛立つものはねぇな。あと眠いし………

でも起きたからには行かなきゃ、







sn「それでどうしたらそうなるの？」

『傘さすのだるくなってたのと雨に濡れたかったから、』


結論から言うと保健室にびしょびしょのまま入った。

折角着た制服も全部脱いで、バケツの上で水気を絞るしんぺい先生を眺めながら渡された体操服に着替える。
柔軟剤の匂いがふわっと鼻を掠めて少しだけイライラが落ち着いた。


『…誰か寝てる？』

入り口に並べられた一足の上履きを一瞥して思わず呟く。


リュックの表面の水分を軽く拭いてチャックを開けて中を確認する。
ちょっとふやけてる感は否めないけど、ノートや教科書達は無事っぽい。


sn「低気圧での体調不良は一般的にあるからね。むしろ今日は少ない方やな」

話によれば午前中にも何人か来ていたらしい。皆授業も受けながら大変やな、



『…っくしょい』

sn「ちょっと、風邪ひかないでよ〜？お湯沸かしてココアでも淹れとき」

丁度チャイムが鳴って、先生は寝ている人を起こしに奥へ消えた。

頭痛を紛らわせたかったのもあり、今日は素直に飲もうと思ってポットに水を汲む。



tn「う〜…すんません2時間も。爆睡してしまいましたわ」

sn「仕事忙しそうにしてたもんね〜
　 普通に寝不足もあったと思うから、無理せんでな？」


ぱちりと、目が合った。
少し崩れた髪に、お世辞にも大丈夫とは思えない隈を目の下に飼っていた。


『………飲みますか、ココア』

さすがにこの状態でカフェイン摂取はダメやんな
自分だけ飲むのも気が引けるし、共犯を作ったと思えばいい


tn「ええん？
　 なら時間に余裕はあるし、甘えさせてもらおうかな」

ありがと、 なんて気恥ずかしそうに頭を掻く男を横目に沸いたお湯を3つのカップに注いだ。

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