第３話『拒否脅迫』 ページ3
「え、えっと……私？」
「貴方の他に誰が居るのよ」
うん。正論ていうか、その通りです……。
なぜ私なんだろう？
それに、私が探偵？
なんで、知ってるの？
「探偵チームKZ。そうなんでしょう？アヤちゃんは。だったら探偵さんじゃない」
「で、も……なんでその事を……」
「だって、あれ」
彼女が指を指す。
そこには探偵チームKZのノートが。
いつの間に見られて……
彼女にはプライベートの侵害と言う、概念が無いらしい。
個人情報ダダ漏れ。
「で？私の依頼は？」
「皆んなに相談しないと……」
「ふふ、待ってるわ。それまでアヤちゃんを守ってるわね」
私を……守る？
先程から付きやすいとか何とか、何を言っているんだろう。
「守る……？私を？何で」
「あら、貴方、気付いてないの？」
コクンと、頷けばクスクスと笑われた。
何のことだか、さっぱり分からない。
「貴方、妖怪とか霊に憑きやすいのよ。私でもすぐに憑けるわ」
「え、もしかして……、憑けるって、憑依の憑く？」
もう一度彼女はクスクスと笑う。
ってことは……
「貴方、鈍感なのね。後ろにいるわよ」
サァ、と顔から血の気が引くような感覚に陥った。
居るって、ことは私の後ろに……
「ゆ・う・れ・い」
絶句した私を彼女はやっぱり、クスクスと笑う。
対照的に、私はもう卒倒する寸前だった。
今後ろに倒れたら、幽霊と……
「私なら守ってあげられる。私、強いもの」
安堵する瞬間、彼女はまたしても私を地獄に落とす。
「依頼を受けてくれたらね」
「はい？だって、さっきは……」
「私って気が変わりやすいの」
彼女には自己中心的と、悪魔が一番お似合いだと思う。
もう、これ脅迫だよね？私に拒否権がないよね。
「どうするの？ア・ヤちゃん」
あの憎たらしい妖艶な笑み。
生涯二度と忘れない。
いずれ、朽ちて汚れて逢えるなら
今から行くよ。貴方の魂を喰らって。
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白波心(プロフ) - S・Sさん» ありがとうございます。此方こそ貴方様のお時間を割いてまで読んで頂き有難うございました。コメントのお返事が遅くなり申し訳ございません。 (2020年4月14日 21時) (
レス) id: 4a6ed9dad0 (このIDを非表示/違反報告)
S・S - ジーンときてしまいました……すごく面白かったです！楽しい時間をありがとうございました！ (2020年4月13日 14時) (レス) id: 0df261d861 (このIDを非表示/違反報告)
白波心(プロフ) - 46さん» ありがとうございます。言葉選びは慎重に行なっていたので、褒められて嬉しいです。返信が遅くなり申し訳ございません。 (2019年11月16日 13時) (レス) id: 4a6ed9dad0 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - めっちゃ感動しました！言葉の選び方など天才的です・・・ (2019年11月2日 12時) (レス) id: 06efcbf80c (このIDを非表示/違反報告)
風野咲夜 - 番外編も面白かったよ！ (2019年6月10日 17時) (レス) id: ef27f9c60f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白波心 | 作成日時：2019年5月25日 23時
