太陽の末裔途中まで書いた。 (ページ13)

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［、、、そうですか、本国に。］
［えぇ、すみません。］

わざわざ挨拶にまで来てくれたこの人が、謝ることなんてないのに。
申し訳なさそうに眉を寄せて謝る彼に苦笑い。

［謝らないでください。あと手、出してください。］

きょとん、とした彼が手を出して、そこに一つの小さな包みをのせる。

［疲労回復、気分向上。大事な糖分ですから、きちんと取って帰ってください。］
［、、、チョコレート、ですか。］

チョコレート。
贅沢品とされ、こう言う場にはなかなか用いられないものだけれど。
正直言ってそれは間違いだと思う。
チョコレートは素早く糖を取れる代物だし、食べることで安心感すら生む優れものだ。
食べることで全身がじんわり疲労から回復したかのように思える。
私は勝手に栄養剤のようなものとして、大量にヘリから降ろして簡易ベッドの下に入れておいてある。

［これからの貴方の武運を。］
［ありがとうございます。高野さんもお気をつけて。］

握手はこの人の手段ではないので、敬礼にきちんと向き合い敬礼を返した。
、、、にしても、どうして中隊長が拘禁状態のこの状況で副隊長の彼が祖国へ帰るのかしら。

「不当じゃなきゃいいけどね。」

私はもちろん韓国軍の内情に詳しくないからなんとも言えないけれど。
これが適切であるとはどうも思えない。
、、、ま、私にできることはないけれど。

発進する車を見送って、ゆっくり足をメディキューブへと向けた。