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『……っはぁ、』
バタンと音を立ててドアを閉めて。冷たいその扉に背をもたれかけた。
……、なんだ、さっきの。
驚きすぎて彼を置いて慌てて家に入ったけれど、暴れ出した心臓はまだバクバクいってる。
"かわいい"
さっきの辰哉くんの声が頭の中で流れて、あまりにも甘ったるいそれに脳がくらりと揺れそうになった。
勘違いする、あんなの。
かわいいとか、そんなの男の人に初めて言われたし、
しかもその相手が辰哉くんだとか、そんなの信じられない。
…なんで急にあんなこと、
最近の彼はどこか変だ。
いや、最近とは言っても私が知ってるのはここ数週間の話だけど。
もしかして、私の知らない数年の間に彼は女の子に簡単に可愛いとか言ってしまうような人になったんだろうか。
少なくとも、昔の彼は私のことをそんな風には見ていなかったと思う。
どこまでいっても私と彼は友達で。可愛いとかそういうことを言われる対象ではなかったから。
見た目は変わっても根本は変わっていないと思ったけど、どうやら違うらしい。
辰哉くんはきっと友達にもああいうことを軽く言える人になってしまったんだ。
社交辞令みたいなやつなんだろうか、それはちょっと気をつけたほうがいいと思う。私みたいに勘違いする子だっているだろうし。
兎にも角にも、あの言葉を深く引きずってはダメだ。
私にとっては特別でも、彼にとっては特別な言葉ではない。
こういう甘みを持った時間は今の私には必要ないんだから、あの言葉を意識している場合ではないのだ。
…はやく部屋に戻って今日の遅れの分を取り返さなきゃ。
限られた時間は、有効的に使わなきゃいけない。
『……忘れよ、』
「なにをー？」
熱くなった頰を抑えながら、ローファーを雑に脱いで二階へとつながる階段を駆け上がろうとすれば。
『っ、……お姉ちゃん、』
「おかえり、A！」
階段の前で仁王立ちしているお姉ちゃんが、私を見て怪しく笑った。
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こゆき(プロフ) - さゆさん» コメントありがとうございます…！更新頑張ります！！ (2020年11月29日 10時) (
レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - 楽しいです！更新楽しみにしてます(^^) (2020年11月26日 23時) (レス) id: 04307595de (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - (名前)ひなさん» いつもありがとうございます…！自己満の拙い作品ですが、好きだと言っていただけて本当に嬉しいです！さらに楽しんでいただけるよう、更新頑張ります…！ (2020年10月18日 0時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ひな(プロフ) - うわあ新しい作品もめちゃめちゃきゅんきゅんします…！！ほんとにこゆきさんの小説好きすぎて…毎日見てます！！しぇあはうすの住人もハニーシュガーの誘惑も楽しみにしてます＾＾ (2020年10月12日 16時) (レス) id: cc80ef896f (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - さーたんさん» コメントありがとうございます…！描写とても考えながら書いているので、そのように言っていただけてとても嬉しいです！今後もよろしくお願いします…！ (2020年10月11日 21時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年10月5日 23時
