第４章 ページ37
智サイド
あ〜あぁ、翔、行っちゃった。
でも、大丈夫かな？あの人、自分が倒れるまで頑張るタイプなんだから。本当に自分の限界を知らないんだよね〜
僕はそのまま考え事をしながら、机に向かってスケッチを始めた。
〜数時間後〜
智：「ファ〜…眠ぅ…」
いや〜、なんでこんな眠くなるんだろう。ちゃんと寝てんのになぁ。
プルルル…
携帯が小さな音を立てて振動する。
ん…？これって…
あ、翔の先輩か。
こないだ連絡先交換したっけ、僕が高熱でぶっ倒れた時(笑)
智：「はい、嵐山です。」
電話の先からは、焦ったような声が聞こえる。
先輩：「あ、智くん？実は、ちょっと翔くんがね、」
智：「あちゃー、やっぱ倒れましたか？」
僕は苦笑しながらそう聞くと、先輩の声が真剣になった。
先輩：「うん…倒れたは倒れたんだけど、実は検査したら、翔くん胃潰瘍でね。多分、ストレスが原因で…」
智：「ほへ…？」
驚きすぎて間抜けな声が出ちゃった。
だって、胃潰瘍だよ？
翔が胃潰瘍だよ？
僕、早く行かなきゃ。
智：「あ、はい、わかりました…今すぐ向かいます。」
僕はそう言い残すと、さっと立って出る準備をした。
雅：「智にぃ〜たっだいまー！」
え、ちょっと待って、この元気一杯の声って…
智：「雅紀？？え、なんで家帰ってきたの？？」
僕の頭は？？だらけ。
雅：「え、今日俺半日だよ、学校。」
半日？
あ、それ今日だったのか。なんだ、そういうこと…
って納得してる場合じゃないよ(汗)
智：「雅紀、付いてきて。翔がさっき倒れたって。やっぱり調子悪かったんだろうけど、なんか胃潰瘍になっちゃったみたいでさ。」
雅：「胃潰瘍？！ちょっと、え、行かなきゃ！あれ、っていうか胃潰瘍って何だっけな？まぁいいや、早く早く、いこいこ！(汗)早く、智にぃっ！うわ、いだっ！ドアに鼻ぶつけた(泣)」
いや、ちょっと焦りすぎ。
智：「ちょっ、落ち着いて。大丈夫だから。もう痛みはないって電話で言ってたし、だいぶ落ち着いてるみたいだから。」
雅紀はホットしたように胸を撫でる。
智：「あ、とりあえず車、行こ。」
僕たちは急いで車の中に乗り込む。病院は歩いて家から１０分くらいだから、車で行っちゃえば５分しかかからない。
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作者名：花凛 | 作成日時：2019年5月9日 15時
