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その後、遊真たちが帰ってくる前に寮に戻った。


迅さんからは「泊まれば?」と提案されたけど、なんとなく断った。

特に理由はない。本当に何となくである。


そして今、その迅さんから電話がかかってきた。



「何してた?」
「今からシャワー浴びようかなって」
「あー…わるいな邪魔して」



と言いながらも申し訳なさそうにする気配もなく、迅さんは話を続ける。



「A、大事なもん忘れてったぞ」

「えっなに?」

「スマホ」

「…は?」


何を言ってるんだ。スマホなら今使って…


「えっ、これ迅さんのじゃん…?!」

「気付くの遅ぇよ」



ビックリしすぎて思わずスマホを離しそうになった。

取り違えたのか…にしても帰ってきても気付かないなんて…。バカか自分は。



「明日おれ本部行くから、持っといて」

「分かった。…ごめん」

「いいって。お前のドジ久々に面白かったし」



ゲラゲラ笑う迅さん。

対する私は、自分のミスの恥ずかしさに顔が赤くなるばかりだ。本当に、何をやってるんだか…



「そうだ。迅さんさ、さっきの賭けってもしかして ヒュースを玉狛に入れるつもりだった?」

「ありゃ。バレた?」

「いや、なんとなくそうかなって。…本当に入れようと思ってたんだ」

「Aが入ってやってもいいんだぜ」

「迅さんが入ればいいじゃん」

「あはは!丁度さっき、メガネくんにチームに入らないか誘われたんだよ」

「はぁぁー?!」



おっと危ない危ない。近所迷惑だ。

ゴホンっと咳き込んで もう一度口を開く。



「誘われたって…」

「断ったけど」

「いやまぁ、それはそうだけど…迅さん誘うって…」

「中々鋭い一手でしょ。普通思いついても実行しない。よほど負けたのに堪えたんだろうね、風間さんのアドバイスもあったし」

「うーん…」


なんて答えればいいのやら…


「でもま、ヒュースを入れるって考えはまだ言ってないよ。Aと俺だけの秘密だ」

「…」

「なんか言えって」

「なんか」

「そうじゃなくて…それも古いし」



「とにかく、明日スマホ持っとけよ」

「うん」



お互い「おやすみ」と言って電話を切る。



三雲くんか…記者会見の時もそうだったけど、中々に凄い人材だな…

遊真もそうだし、千佳ちゃんもだ。そこのチームにヒュースが加わるのか。



「(…濃いな…)」



チーム内に近界民が二人。

面白くなりそうだけど、ボーダーって、どうしてこうもクセが強い人達が集まるのだろうか…

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ろいど(プロフ) - 一気読みしました!!更新待ってます! (2022年2月25日 16時) (レス) id: 5682104901 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 続き楽しみに待っています!!!! (2021年12月15日 0時) (レス) @page36 id: 6f7b9e6ac6 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - 続編ありがとうございます!この作品大好きで、更新されるのいつも楽しみに待ってるので頑張って下さい!!応援してます! (2021年2月16日 22時) (レス) id: e0fa08789a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無名 | 作成日時:2021年2月16日 21時

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