四十二歩目 ページ44
二郎side
Aちゃんがいる病院に行くのか…
あれから何かあったのかな
なんにしろこんな状況で俺が彼女を置いて観光を楽しめるはずない
「おっす、分かりました先生」
「よし、朝食食べたら入口の前に来てくれ」
それから俺は朝飯を過去一の速さで食べると急いで部屋に戻った
スマホや財布、その他諸々をリュックサックに乱暴に詰める
エレベーターを待つ時間ももったいないと一階まで階段で駆け下りた
入口まで行くと藤野と天城がいた
「お前ら、もしかして…」
「やっぱり二郎くんも呼ばれたんだ」
「先生がAの入院している病院へ行ってほしいと頼まれましたので」
「そうか、俺もだ」
仲いい奴らは呼ばれたってことか
どっちにしろ良い知らせがありそうにはない
「おお、揃ってるな。じゃあ行くぞ」
先生の後について行きバスに乗る
昨日、旅館に帰るときはショックで俯いていて周りの景色なんか一切見なかった
明るくなった今、外を眺めれば平安時代を思わせる町並みが目に入ってくる
京都ってこんなとこだったっけ？
しばらくするとバスが病院についた
俺たちはバスを降りて病院の中へ入り、受付をする
受付の人は昨日、俺がいたことを覚えていたらしくすぐに「分かりました」とAちゃんの眠っている病室の場所を教えてくれた
エレベーターで5階に上がると入口のある一階とは違う真っ白な床と壁、天井で覆われている
ナースステーションの看護師に先生が声をかけるとその看護師はAちゃんのことで話をしたいと言い、俺達は面接室に通された
一対四で向かい合って座り、重たい空気の中看護師が口を開く
「手術は無事に終わりました。しかしこれは…大変申し上げにくいことなのですが、ご理解いたたければと思います」
その言葉に心臓が早鐘を打ち始める
俺はゴクリとつばを飲み込んだ
「水澤Aさんは脳の損傷が原因による高次脳機能障害になり、記憶喪失の状態に陥っています。」
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女王(プロフ) - カミサマさん» 応援ありがとうございます。ご期待に添えるようこれからも頑張って更新を続けます！ (2021年6月21日 20時) (
レス) id: c75b1bd3e5 (このIDを非表示/違反報告)
カミサマ(プロフ) - 面白いです！続き楽しみにしています！ (2021年6月21日 20時) (レス) id: 18de018685 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クーカー | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/mmyu671
作成日時：2021年5月5日 16時
