二十六歩目 ページ28
Noside
ピピピピッ ピピピピッ
障子の隙間から溢れる朝日と大きな目覚ましのアラームの音で目を覚ました
時計の針は6時を指している
昨日はあれから色々と質問攻めにされて結局寝るのが遅くなってしまった
ゆっくりと上体を起こし、重たい頭を上げる
Aは寝間着から花のコサージュが付いた上品な白いレースのワンピースに身を包む
洗面所へ向かうとすでに起きていた調が身支度をしている
「おはよう御座います」
『おはよう』
彼女は調の横に立ち、櫛で寝乱れた髪をきれいにといて結い始める
サイドで一纏めにし、編み込んでいく
きれいに整ったところで鶴も起きてきた
「おはよ…ってまた今日も可愛い格好してるねぇ。もしかして誘ってる〜？」
『何言ってるの、そんなんじゃないよ。いつもの格好』
「ですが、これだけ可愛ければきっと二郎さんも惚れ直してしまうんじゃないでしょうか？」
『もう…調まで。』
朝からそんな会話で賑わう女子部屋とは裏腹に男子部屋ではある男を起こすのに手間取っている者達がいる
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「二郎起きろー」
「朝飯の時間に遅刻するぜ」
そう、起きないのはこの男、山田二郎
いくら声をかけても起きる気配が全くない
「なんだよ三郎…もうちょっと寝かせろよ」
「誰が三郎だよ。ここはお前ん家じゃねんだぞ起きろー！」
二郎はいつも登校時間ギリギリまで寝ている
寝坊ばかりの彼が一日だけ早く起きれるなんてことはもちろんない
「じゃあ朝っぱらから愛しの“Aちゃん”に起こしてもらうか」
二郎をからかってAにちゃん付けをしたのにも関わらずそれに気づかず寝ている
「水澤、水澤。朝から悪いんだがちょっと手伝ってくんねえ？」
『私？』
Aは男子がわざわざ自分に手伝ってほしいとお願いをすることを不思議に思った
彼らがAを呼んだ理由を察した鶴と調は「言ってきて、待ってるから」と急かす
男子部屋までついてきたAは『どうしたの？』と首を傾げた
「二郎を起こしてほしいんだよ、俺らが起きろって言っても全然起きねぇからさ」
『二郎くんを起こすの？でもなんで私が…』
「水澤なら起こせるって！ほらほら」
わけも分からないと言った様子だが頼まれたことはやるしかない
Aは寝ている二郎に顔を近づけ、
『二郎くん起きて、朝だよ』
とそっと二郎の体を揺さぶった
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女王(プロフ) - カミサマさん» 応援ありがとうございます。ご期待に添えるようこれからも頑張って更新を続けます！ (2021年6月21日 20時) (
レス) id: c75b1bd3e5 (このIDを非表示/違反報告)
カミサマ(プロフ) - 面白いです！続き楽しみにしています！ (2021年6月21日 20時) (レス) id: 18de018685 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クーカー | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/mmyu671
作成日時：2021年5月5日 16時
