1番星

交換条件 ページ31

再び病室に戻ると、佐久間さんが起きていた。



佐久間「A？どうして俺ここに？」



『熱があるなら言ってください！

佐久間さんが倒れて意識がないと言われた時、心配で、怖くて、身体の震えが止まりませんでした。

明日は検査入院でここにいてもらいます。』



佐久間「明日は本番でしょ？なんともないから出られるよ！」



『ダメです。倒れた時に頭を強く打ってるみたいなので、ちゃんと検査してもらってください。

今は身体を最優先に考えてください。』


佐久間「そんなこと言ったって、本番はもう明日！

チケットを買ってくれたお客さんに申し訳ないし、Snow Dreamだって6人で歌うことに意味があるって言ってたじゃん、だから、



『佐久間さんの気持ちもよくわかります。

でも、もし何かあったらって思うと、その時に後悔しても遅いと思うんです。

一生引きずると思うし、あの時こうしておけよかった、なんて後悔もうしたくないんです。

お願いですから、私に従ってください。』



佐久間「不安にさせてごめん。Aの思いは伝わった。

でも一つだけ条件がある。それを受け入れてくれるなら、俺はAの意見に従うよ…」



『条件ってなんですか？』



佐久間「Snow Dream を俺の代わりに歌ってほしい。これが俺の条件。

Aのことだから、私なんかが、って思うかもしれないんだけど、この曲を他に歌えるのはAしかいない。

だから、お願い。」



『………わかりました。』



佐久間「ありがとう。メンバーには俺から言っておくよ。」



私は急いでライブ会場に戻った。



もう遅い時間になってゲネプロは終わっていた。



Snow Dreamに関しては歌割りも振り付けも把握してるから問題はない。



プロとしてやるから、メンバーに対しての複雑な気持ちも抜きにしてパフォーマンスする。ただそれだけ。



問題は一度も通しリハを成功できなかったこと。



本番でまたトラブルがあった時にうまく対処できるのかが不安でこの日は寝られなかった。



明日のライブのことだけを考えてたら、気づけば朝になっていた。



急いでシャワーを浴びて会場へと足を運んだ。

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