甘い悪魔に注意報 【吸血鬼】【歌い手】

blood 18 ページ21

伊東「あ、おはようA。今日は休みながらゆっくりしてな」






柔らかい笑顔で朝食作っている理事長。







貴方「聞きたいことがあるんです、」





そう言うと、理事長は手を止め私の方を向いた。




伊東「ん？どうした？」








貴方「ユエって、なに」









一瞬理事長の顔が強ばった。







そしてひとつため息を付くと、私の目をじっと見つめ返した。






伊東「ユエっていうのは、中国語で月のこと。



その昔、絶滅したはずの吸血鬼の名前だ。」









貴方「吸血鬼、」









理事長「吸血鬼には純血種と言われるものがあるのは知ってるね？」



貴方「確か、吸血鬼の中でも少ししかいないっていう」





昔、理事長からそういう話を聞いたことがある。





理事長「そう、ほんの一握りしかいない純血種。

その純血種で最強と言われた一族がいたんだ。

名は一ノ瀬」








え、一ノ瀬って。





貴方「生徒会長、？」




理事長「うん、彼は絶対したはずの一ノ瀬家の生き残り。

その一ノ瀬家で生まれたのは男だけのはずだった、だけど最近発覚したのは女も生まれていたということ。」




理事長を目を瞑り、思い返すかのように語り始めた。



理事長「そして、その女の子は純血種の血を誰よりも濃く持ち生まれた。
彼女こそが、最強の吸血鬼だったんだ。」




さて、といつもの優しい笑顔に戻った。





理事長「僕から話せるのはここまで、後は自分で調べるといいよ。」




貴方「調べるって、どうやって」





理事長「、ハンター協会の本部なら資料があるかもしれない」






ハンター協会。



違法をした吸血鬼を取り締まるところ。





私はあんまり行きたくないけど、





貴方「わかりました、行きます」





理事長はやっぱりと呆れたような笑顔になった。






知りたい、私はなんなのか。

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