Gittering World 2

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放心状態ってきっと今の私みたいなことを言うんだ、と思った。

あまりに突然すぎて何も分からない。




どうすることが正解だったんだ、




ああ言えばよかった、って何度も思う。

でも何を言っていてもきっと未来は変わっていなかった。



とても大切な友達、でもそれ以上にすら思える人を失ってしまったこと。




『水ちゃん！』



あの明るい笑顔が脳裏を走る。


もう彼は、あんな風には笑ってくれない。




どうしようもない喪失感、悔しさ、悲しさ。




なんて言葉にしたらいいかもよく分からない。




「……とりあえず、ここ出なきゃ」



いつまでもここにいるわけにもいかなかった、




何も考えられないままお財布片手に会計に近づく。


いくらかな、なんてぼんやりと考えていれば、



「お会計はもうお済みですが…」


と戸惑ったような声で言われる。






…平野っちじゃん、






私に払わせてよ。


次は奢ろう、そんな約束すら果たさせてくれない。





「…そうですか、ありがとうございます、美味しかったです」





自分の声を遠く感じた。





それからどうやって帰ったかはよく覚えていない。

タクシーに乗ったのは確かだ、でも途中の道のりも払った代金も記憶喪失のように頭から抜け落ちている。



一歩部屋に入れば、膝から崩れ落ちてしまった。




さっき流しすぎたと思った涙は、まだ止まっていなくて。




「あんな優しさ、要らないよ…」




最後は冷たかったのに、



そのふとした優しさを見せる君は、本当にずるい奴だ。

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