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「あー死んだ」
「凄いよね。私は絶対できない」
「慣れだよ。やってみ」
「いや無理」
「いーから。ほら、ここで弾撃つ。ここで左右の視点移動。ジャイロで上下。ここ押すと視点リセット」
「え、う、ぁああ分かんないって」
「フィーリングでやるんだよこーゆーのは」
「ムリムリムリ」
Aはワタワタと慌てながらスマホをしっかりと手に持っている。こういうゲームやったことないのに、と思いながら。
でも確かに、これなら案外フィーリングでなんとかなる。ゾンビが来たら撃てばいいだけのシンプルなゲームだ。相手はコンピューターだし。
Aは2､3分ほど粘ったが、凪には到底及ばずゲームオーバーになった。
「難しい…けど、楽しいかも」
「でしょ。死ぬのやめてこれでトップランカー目指そうよ」
「それは無理だけど。私もやろうかな…」
「いーじゃん」
Aは自分のスマホをポケットから取り出してゲームをダウンロードする。ログインボーナスが貰えるらしい。また明日も、貰おうかな。そう思えた。
ちょうどそこでチャイムが鳴って、Aは1人立ち上がる。
一緒に行動すれば凪に何があるか分からないから、いつも屋上から帰るのは別々にしていた。凪は一緒でいいと言ったが、Aが絶対に頷かなかった。
「またね」
「うぃー」
Aは既に生徒のいない廊下をゆっくりと歩いて教室へ戻る。
周りより遅れて戻ったところで、誰も気にしない。Aは今日も息を殺して席につく。
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2025年1月31日 18時
