はっちゃけ妹系新人声優は皆の人気者

4話 ページ5

神谷side

新人声優だけのオーディションなだけあって、まだ慣れてない子が多いように見える
うーん。どの子もあまり変わらないんだよな

今回の台詞は掛け合いの相性などが大事になってくるし、濃い演技をしてもキャラにあってないし、薄い演技をしても主人公としてはうもれてしまう

正直新人の子たちには中々掴みづらいキャラだろう
しかも先輩に見られながらのオーディションなんて普通に緊張するだろうし…

そして次の子の資料をみる。
女の子は初めてだな…

するとノックの音が聞こえる

監督「どうぞ」

「失礼します」

資料の写真に載っていた女の子が入ってくる

監「じゃあまず、事務所と名前お願いしてもいいかな？」

「はい！81プロデュースから参りました。AAです。よろしくお願いします」

堂々と話す子だな…

監「じゃあいきなりだけど課題にいくね、神谷さんが相手してくれるから掛け合いしてみようか」

「！はい。お願いします！」

Aさんは少し驚いた顔をしだがすぐに真剣な顔になった。

監「じゃあ神谷さんよろしくお願いします」

神「わかりました」

今日何度目かわからないセリフを僕はAさんの方を向きながら言い始めた

神「「お前、まさか俺が見えるのか！？」」

「「え、何、君幽霊かなんかなの？」」

神「ふっ、矢澤仁とは仮の姿…吾輩は」」

「「あ、そういうの大丈夫なんで」」

神「せめて最後まで言わせて！？」」
「「さ、さてはまさか！貴様暗黒神ア」」

「「違います」」

神「「僕につきあってよぉおお泣」」

「「くっつくなぁあーーー！！」

監「うん。ありがとう」


驚いた。声の良さは勿論のこと初めてなのにこんなに掛け合いが上手くいくことなんて普通ない。

明らかに他の子達とは別のレベルにいる子だ

監「君いい演技するね」
　「神谷君の前で緊張しなかった？笑」

監督もさっきまでの表情より柔らかい

「ありがとうございます笑とても緊張しました笑自分の憧れの方だったので…笑」


！！

嬉しいけど…それなのにあそこまでの演技を出来るなんて…この子度胸あるな笑

神「ありがとう笑掛け合いのタイミング凄くよかったよ」

「っ！ありがとうございます！神谷さんと一緒に演技をさせていただけて本当に嬉しかったです！」


顔を真っ赤にしながら一生懸命答えるAさんは小動物のようでとても可愛かった

監「じゃあこの辺でいいかな！結果はまた後日」

「はい！ありがとうございました！」

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