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けれど私は自分に自信がもてないから、どんなに照が傍にいてくれてもその気持ちが本当なのか信じられなかった。
そんな私に怒ることはなくて、照なりに気持ちをぶつけてくれて、手を繋いだり抱き締めてくれたり、ちょっとしたスキンシップからゆっくりと私たちの恋愛は始まって。
「ごちそうさん！ ふっか、いくら〜？」
「ふふふ、今日は深澤さんの奢りでぇい！食ってけ泥棒！」
「え、いいの？ もう食っちゃったけど。笑」
レジの前でわーわーと騒がしい二人を後ろから見てて、先輩と目が合った。
「Aちゃん」
「はい？」
「"俺、応援してるからね？"」
「あっ！！」
ぱちん、とウィンクされて遠い昔の記憶が甦る。
散り始めた桜の中で見送った、この先輩たちの卒業式の記憶。
「なんの話しだよ」
「もっさんには関係ねぇよ」
「はあ〜？ おい、ふっか！」
「きゃっ！」
懐かしさにくふふ、と肩を揺らしていればその肩を照に抱き寄せられて頬をぷにっと寄せられた。
う、絶対ぶちゃいくにされてるっ。
「おい、お前は俺のなの。 その辺わかってる？ 駄目だよ。とくにふっかなんて以ての外だからな」
「？」
「ヤキモチほどダセェことないよ〜。笑」
ヤキモチ！
過去の私に会えるなら、こんな素敵すぎる未来が待ってるよって今すぐ教えてあげたい。
照の手を掴めば、「なに？」と顔を覗き込まれて。
「照、私とっても幸せ。ありがとう」
「……っ、まじかわいい。ふっか、見た？ 俺のAほんとかわいい！」
「はいはい。笑」
私の肩に顔を埋める照の頭をヨシヨシと撫でる。
照がこうなるまでに深澤先輩に色々と相談してたって事を私が知るのは、これから数年後の結婚式での事になる。
バラされたくなかった照が顔を真っ赤にしながら深澤先輩を睨んでて、それを見て私がキュンとするのはまた別の話だ。
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スローステップな恋で良い。【黄】
[完]
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ゆきんこ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！この作品の前作がシリーズもので、お話を繋げて物語を作る様なことをしていたので、そこを楽しんでもらえたら嬉しいです(^^)ありがとうございます！楽しんでもらえる作品が書けるように頑張ります！ (2021年5月26日 13時) (
レス) id: 21f13df572 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - はじめまして。お話すごく面白くてキュンキュンしました。他の話も読みましたが、話が繋がっていて"あー！"ってなりました(笑)一気読みしてしまいました。これからも素敵な作品楽しみにしています！ (2021年5月26日 11時) (レス) id: 197c8cdcc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年5月16日 16時
