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「あ、……乱歩さん」


乱歩「どうして、早く逃げないの」




良かった、助けに来てくれた。
実はこんな不安も片隅にあった。
皆に迷惑かけてしまった、嫌われてしまう、乱歩さんから別れ切り出されたり…?
と言う不安ばかりで、最近やっと喋れる様になったから浮かれて居るからだと思ってばかりで。



……あれ?、と言う感情が後に来た。



なんだか怒っていますね、いやそりゃ誘拐されて迷惑かけたからなんだろうけど、怒りの矛先なんか違う気がする。

顔が糸目な分怖いです乱歩さん。




「……あの、ドアに「云い訳は聞いてない」




え、じゃあ何を言えばよろしいの??
どうして、早く逃げないの……か、いやドアに逃げないでって書いてあって悩んでた途中に乱歩さんが来たからなんだけど。

えっと、ホンマに何を言えばええの?





乱歩「本当は、此処から……出たく無かったんじゃないの?」


出たく無かった?
いや、出たかった、悩んでいたから出るのが遅くなっただけだ。

ホントに、それだけ。




「っ、違います!悩んでたからですよ…」


乱歩「何を悩んでいたの?」



分かってるくせに。
乱歩さんの頭なら、ドアだって乱歩さんは一瞬書いてあるところを見た。



「ドアに逃げないでって、「だから、其れは違うでしょ」……じゃあ、他に何があるって言うんですか!!」




……あ、強く言ってしまった。
ごめんなさい、と言う言葉が口からは出てきてくれやしなかった。

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作者名:しゃむねこ@元Hikaririka | 作成日時:2022年11月5日 20時

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