【文スト】助手なんていらないんじゃ…

＊33＊ ページ34

恋愛を経験したことはなくても、人の感情は理解出来る。人間の感情パターンなど単純だ。それを乱歩さんはよく分かっている。

しかし今、乱歩さんは恋愛に巻き込まれる当人になって戸惑っている。今まで理解したと思っていたことが、事実と少しだけ食い違っている。



…なんて。

これが、乱歩さんと少し長く一緒にいて、私に身についた拙い推理力のお披露目である。
都合の良い推理なんて三流小説にもなり得ない。以前乱歩さんが刑事ドラマだかなんだかを見て面白くなさそうに呟いていた言葉だ。本当だ、私もそう思う。


実際のところどこからが正解でどこからが不正解なのか、はたまた全て不正解か。答え合わせはできそうにない。乱歩さんの思うところは、神のみぞ知る。



乱「…多分、君は僕のことを少しだけ分かってきて、僕の考え方なんかがほんの少し分かってる。君は僕には及ばないけど賢い人間だしね。でも」


嗚呼、乱歩さんにはやはり、私の思考回路もわかってしまうか。それはそうだ。乱歩さんはそこらの人間では近付くのも烏滸がましいほど、不器用に賢い人間なのだ。


乱「Aのことが好きかどうかと言われたら、僕は好きだよ」


彼の顔は空の青が隠してしまった。
私は自然と、顔を綻ばせる。


貴「…私も、乱歩さんが好きですよ」




恋愛なんて、小難しいことに気力を割くのは馬鹿馬鹿しい。恋愛とはどうあるべき、など全て戯言で、全ての人間は純粋な愛の踊り子でなければいけない。
前に、太宰さんが言っていた。


そうだな。

乱歩さんがそうなら、どう転んでもついて行く他無い。
私達に恋愛などは、あまり向いていないかもしれない。

…いや、逆に。


なんてね。



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理屈っぽい上に分かりにくく、あまり面白くない文章で申し訳ございません。
乱歩さんside、ご要望が少しでもございましたら書きたいと思います。

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