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綾部喜八郎 ページ12

一年は組の教室を後にすると丁度そこに喜八郎はいた。
 
 
「喜八郎〜!」
 
 
僕は喜八郎の名を叫びながら彼を追う。
 
 
けれど彼は気づいてないようで。
 
 
彼の周りには人が入れそうなぐらいの穴が沢山掘られていた。
 
 
「あれ、今機嫌悪いのかなぁ」
 
 
喜八郎は穴掘りが好きだが機嫌が悪い時は自分の周りに沢山の穴を掘ることによって人を近づけさせない。
 
 
「でも喜八郎が僕を探していたなら声かけないと!」
 
 
そして再度名前を呼ぼうと軽く足を前に出した。
 
 
「あっしまった…」
 
 
足を前に出した場所は丁度穴の中。
 
 
重心が前にいき止められない。
 
 
「き、喜八郎っ!!」
 
 
ガシッ
 
 
「うぅ…ん…?」
 
 
僕の体は誰かに抱きしめられていて、強く閉じていた目を少しづつ開けると。
 
 
喜「おやまぁ…A先輩」
 
 
落ちそうな体を抱きとめてくれたのは喜八郎だった。
 
 
そういえば前も同じことが。
 
 
喜「先輩は女の子なんだから気をつけてくださいよ」
 
 
「あっ…喜八郎も知ってたんだ…」
 
 
喜「もうみんな知ってると思いますよ」
 
 
喜八郎ははぁとため息をついて僕から離れた。
 
 
「えっそれじゃぁ」
 
 
喜「でもみんな先輩のこと大好きだから先輩のことを思って誰も口にしてないだけですよ」
 
 
サァと風が僕達の髪をなびかせた。
 
 
喜八郎は踏子ちゃんに寄りかかりながら僕に笑いかけた。
 
 
「そっか」
 
 
みんな僕のこと…。
 
 
「喜八郎僕に用があったんでしょ?」
 
 
喜「あぁ…大した話じゃないですよ?先輩体育祭の時なんだか寂しそうだったから最近大丈夫かなぁと」
 
 
「喜八郎…」
 
 
「心配してくれてありがとう」
 
 
喜「まぁ…仲直り出来たなら良かったです」
 
 
「え?」
 
 
喜「いやぁこっちの話ですよー」
 
 
なんだかまた話をそらされたような。
 
 
喜「先輩が元気なら良かった…僕以外の4年生達もみんな心配していたので」
 
 
「そんなに表に出てた?僕」
 
 
喜「気づいてない先輩も可愛らしいじゃないですか」
 
 
「か、かわっ…喜八郎!からかわないで!」
 
 
おやまぁと喜八郎は驚いた顔をした。
 
 
「じゃあ僕もうそろそろ行くね!」
 
 
喜「はーい」
 
 
喜八郎に手を振ってから僕は早足でその場を後にした。
 
 
喜「からかってるつもりはないんだけどなぁ」
 
 
そう言っているとも知らずに。

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設定タグ:忍たま , 善法寺伊作 , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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もしゃどーる(プロフ) - あーーさん» あーーさんありがとうございます!!更新頑張ります。°(°´∀`°)°。 (2021年3月17日 19時) (レス) id: 105769ebda (このIDを非表示/違反報告)
あーー - この小説大好きです! (2021年3月17日 17時) (レス) id: d228b33f0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もしゃどーる | 作成日時:2020年9月11日 12時

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