苛立ち ページ46
あれから1ヶ月が経った。
あの日から今日まで伊作と…いや6年生達と話をしていない。
考えれば考えるほど闇が迫ってくる。
それ以来僕は引きこもりがちになった。
誰にも会いたくないとシナ先生に伝え、極力部屋に人を近づかせないようにした。
たまに6年生達の声が聞こえる。
まっそうだよね。
近づかせないとは言ったけど、部屋が隣なんだもの。
なんだか今自分がここにいることがバカバカしく思えてきた。
こんなに苦しいなら忍術学園に入るんじゃなかった。
「雑渡さん…」
僕はお世話になったあの人を思い出す。
雑『A”約束”の時まで忍術学園で色々なことを学ぶんだ』
雑『”約束 ”の日が来たら迎えに行く』
「雑渡さん…僕はどうしたら…」
その時だった。
伊「A…いるかい?」
「なんの用?」
僕は伊作との久しぶりの会話に冷たく返してしまった。
あぁ、何をしているだろう。
伊「出たくなかったらいいんだけど…どうしても彼女がAに会いたいって言うから…」
かの、じょ?
僕はその言葉の意味がわからないまま、勢いよく障子を開けた。
目の前には久しぶりに見る彼。
出てくると思わなかったのか驚いた顔していた。
「彼女って…」
伊「あぁ、えっとくノ一の子が忍たまに転入したんだ」
僕は息を飲んだ。
まさか。
伊「霞桜花って子なんだけど、この間の体育祭でAの代わりもしてくれたんだよ」
「そ、う、なん、だ」
それを僕に言ってなんになるんだ。
だんだん苛立ちが芽生えた。
伊「それでその子がAにも会いたいって」
「わかった」
伊「え?」
「何?」
伊「いや、てっきり断るかと思って…」
何それ。
「は?僕にあって欲しくないわけ?」
伊「いや、そういう訳では…」
「会うよ、そこどいて」
僕はそう言って伊作を押しのけた。
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もしゃどーる(プロフ) - つくもがみさん» コメントありがとうございます!!楽しんでもらえて良かったです!!更新頑張りますね^^* (2020年9月7日 2時) (レス) id: 105769ebda (このIDを非表示/違反報告)
つくもがみ - あぁ、すっごい好きです。これからどうなるのか楽しみ。更新、無理せず頑張ってください。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 5dd14ac0cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もしゃどーる | 作成日時:2020年6月9日 22時