【呪術廻戦】骨の髄まで呪ってあげる。 (ページ4)

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こいつの術式は、少々厄介だ。

自己再生は、そのまんま。腕がもげようが頭が弾け飛ぼうが、短時間で再生することが出来る。

だが、病気や内部の損傷にはめっぽう弱く、治るのに人一倍長い時間を要す。

「ったっく何捻挫してんだよ」

「あっはは、面目ない」

だからこの通り、足を捻挫しただけでろくに歩けなくなる。

今日は二人での合同任務だった。
相手は一級の呪霊で、どちらか先に祓った方が勝ち。負けた方がジュース奢るという勝負をして、帳を下ろした。

非戦闘術式のこいつは、棒状の呪具を持って呪霊に振り下ろす。が、ラストで見事にすかり、右足を思いっきり捻ったのだ。

もちろん結果は俺の勝ちである。

いってーと瓦礫に腰を落としたそいつの青紫に晴れた足首。素が白いから余計に目立つ。
ちょうど補助監督の待つ場所まで、かなりの距離があった。

「……しゃーねぇな、」

息を吐いて、そいつを勢いのまま俵担ぎする。
えっ、うわ、おお？？！なんて、間抜けな声をスルーして歩き出すと、お腹いたい、女の子にすることじゃないだの喚き始めた。

あまりにもうるさいから、女の子なら誰もが夢見るであろうお姫様抱っことやらに変更してやると、さっきまでの態度はどこへ行ったのか、急に黙りこくった。

見てみればどうだろう。そいつは、見たことも無い真っ赤な顔で目を彷徨わせていた。

うあ、え、いやそういう事じゃなくてですね。
聞き取るのも難しい程の声で弁明するそいつに、ふつふつと湧き上がる感情。

ざまあみろ、いつものお返しだ。

上がる口角を隠すこともせず、そのまま歩みを進める。やけにいい気分だった。

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