Kiss24 ページ24
.
「 授業は 、ちゃんと受けるんだよ 」
『 わかったよ 』
教室の前まで私を送ってくれた那須くんは
私の肩をぽんっと軽く叩いて笑った 。
「 じゃあ俺も教室戻るね 」
そう言っては一歩一歩離れていく私達の距離 。
なんだか 、名残惜しくて
『 那須くんっ 』
「 … ん？ 」
気がつけば呼び止めていた 。
『 えっと … えっと 、ありがとう？』
呼び止めたくせに何もありませんなんて言えなくて
必死に何か言葉を探して出た一言 。
だけど今 、私が発する言葉には
どの言葉よりも相応しかったと思う 。
そんな一言を発した私に那須くんは笑って
親指を立てて見せては 、また歩き出した 。
.
遠ざかる那須くんの後ろ姿をじっと見つめていると
少し後ろで聞こえたハスキーな声 。
くるりと振り向いて見ると
携帯電話を片手で触る飛貴がいた 。
「 やっぱり 、那須と付き合ったの？」
携帯電話から目を離したと思ったら
振り向いた私の後ろを見ているようで
ああ 、那須くんを見てるんだってわかった 。
.
「 … 言っとくけど 、那須とAは合わないよ 」
やっと目が合ったと思ったら
そんな事を言うから私も少し腹立って 。
『 何でそんなこと言うの？』
「 …… 」
『 飛貴には 、関係ないよ 』
こんなことを言ってた 。
.
飛貴の顔が少し歪んだのを見て
やってしまったと思った 。
『 あ 、飛貴 … 』
遅かった 。
「 へー 」
いつもに比べて低い声 。
「 もういいや 」
飛貴が教室に入るのと同時に
チャイムが鳴って 。
私はその場で飛貴を見つめることしか出来なかった
．
授業中も伏せてる飛貴 、
蘭那ちゃんはそんな飛貴が気になるのか
ちらちらと見ている 。
そんな様子を見て 、
私の頭には蘭那ちゃんの声が再生された 。
.
飛貴を傷つけないで 、か 。
いつ私が飛貴を傷つけたのか …
黒板には出会ったこともない有名な戦国武将の名前
先生はうっとりした顔でその戦国武将の活躍や
人格について私達に熱弁してる 。
出会ったこともないくせに 。
そんな話は私の耳に届かなくて 、
ただひたすら飛貴のことを考えていた 。
飛貴の考えていることは見えない 。
ずっとずっと …
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ひゅーら(プロフ) - 1番好きだったお話が終わって寂しいです（ ; ; ）お疲れ様でした！ (2018年8月8日 16時) (
レス) id: aa8eeb01f9 (このIDを非表示/違反報告)
こりん - 少し激しめのキスシーンも読みたかったです！プラスで書いていただきたいくらい^ ^ (2018年8月3日 8時) (レス) id: 552a5d5abc (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃか(プロフ) - 長い間お疲れさまでした。スゴい面白かったです!! (2018年7月31日 17時) (レス) id: 6bb2b8ab02 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - とても素敵できゅんきゅんするお話をありがとうございます！次の更新がとても待ち遠しいです。ひだかくんがどうなるのかとってもどきどきしてます！ (2018年7月6日 16時) (レス) id: 016839428c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 一気読みしました！おもしろいです！ 幸せになってほしいなー！ (2018年7月3日 7時) (レス) id: 3f1cd80dfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるるん
| 作成日時：2018年4月5日 12時
