HiHi Jets の女のコ . (ページ25)

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違和感ページ25

_yuto side_

あれは半年くらい前の出来事。

「おはよーざいまーす」

「ん、」

「おー、…あれ、Aは？」

「まだ来てない」

「ふーん」

いつも一番に来ているはずのAが最近ちょっと遅れてくる。

まぁAも人間だ。
いつも一番乗りなはずもないからと、
何でだかは特に気にもとめていなかった。

「、っ遅れました！すみません！」

「おーい、遅いぞA～」

「ごめん！今すぐ準備する！」

遅れても少しだし、何か用事があったっぽいから仕方ないことなのは分かってたし。

…でも、それがだんだんと違和感を持つようになっていって。

「それでさーって、…A？」

「…ぁ、ご、ごめん！何だっけ？」

ぼーっとしていたり、

「どうした？なんかあった？」

「ううん！何でもないよ、それよりさ＿」

何かを誤魔化すような素振りを見せたり、
少しおかしかった。

けれど、どうしたと聞くと決まって、
笑って何でもない、大丈夫と告げるものだから
ああそうかとあまり気にしなかった。

＿けれど、ある日。

「っごめんなさい！遅れました！」

Aが初めて大幅に遅れてレッスン場に入ってきたことがあった。

平日で学校帰りだったし、授業や何やらの関係かと思ったが、特に連絡は無かったし作間も時間前に来ているし。

『今大事な時期なんだから、気持ち切り替えろよ』

「すみません、」

そう、今は夏の長期公演を控えている真っ最中。

少し空気がピリついていて、稽古の先生も少し怖い。

「どうしたの？」

「…ごめん遅れて。すぐに準備する」

こうやってすぐにはぐらかされる会話にも、あまり良い気はしなかったのが本音だった。

Aが加わりレッスンが再開したが、

『＿そこズレてるよ！』

『＿おいA、お前だけターン遅れてる！』

『＿ほら移動だって！何やってんのお前！』

ミスを連発するA。

特に、ジャンプとアクロバットのミスが多かった。

なかなか練習が進まなくて、俺たちも眉を顰めてしまう。

『ちゃんと練習してきたの？
ここ次までに覚えてって言ったよね？』

「っ、すみません…」

"初の単独公演"

それが俺たちの頭を占めていて、
いつも以上に気が張ってしまっていたのかもしれない。

「お前、しっかりしろよ」

「…少し、気ぃ緩んでんじゃねーの？」

何かあったから、
今までにないミスをしているのに。

それに俺らは気付けずに、ただ責めてしまった。