HiHi Jets の女のコ . (ページ20)

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「あれ、こんな所にケーキ屋さんあったっけ」

「ほんとだ、新しく出来たのかな」

「おいしそう」

「じゃあ次はここ行こうね」

「ぜひとも！」

お店に着くまで、目まぐるしく変わる東京の街並みをああだこうだと喋りながらゆっくりと歩き進める。

可愛い雑貨屋さんを見つけたらぶらりと入って、
電子機器のショップがあったら立ち寄ってみて。

たまに最初の趣旨から大きく逸れていつの間にか
質のいいヘッドフォンを探し求める旅になってたり、
ただひたすら良さげな喫茶店を見つける旅になってたり。

そんな、自由気ままなこの時間は凄く居心地がいい。

「着いた！」

「意外と並んでるね」

とりあえず最後尾に並ぶと、
前から何やら知った声が。

「えぇ～どうしよ、え、めっちゃ迷う」

「早く決めろよ、女子かよ」

「それはむしろみずっくんの方じゃｸﾞﾌｯ」

「…さくちゃん」

「…うん」

あれは紛れもないうちのメンバーだね。

ちょっと外で腹パンかますのはやめて欲しいかな。

「…！！A！」

不意に後ろを振り返ったみずっくんが目をきらきらさせながら名前を呼んだ。

「え、学校帰り？偶然だね。
わ、制服久々に見た。」

少し早口でそう言うみずっくん。

確かに、本当にたまたま外で知り合いと合うと嬉しくなっちゃうよね！

「作間もいますよ」

「なんだよお前ら制服デートかよくっそ羨ましい！！」

「これが同校の利点」

「うっわその勝者の笑みすげぇムカつく」

「ほんとだよ何が悲しくて原宿に男二人でタピオカ飲みに来なきゃいけないわけ」

「え、みずっくんが誘ったんじゃｸﾞﾌｯ」

「髙橋優斗、K.O」

「勝者～井上瑞稀～！」

「やめろお前ら恥ずかしい！！」

こんな風にふざけているうちに
すぐに私たちの番は回ってきて、

「俺ブラックミルクティー！」

「杏仁ミルクティーで」

優斗とさくちゃんは既に決めてあるらしく、ぱぱっと注文し終えたけど、

「私はえっと…」

こういう時、優柔不断が凶と出て、なかなか決められない。

すると、

「塩キャラメルミルクティーとミルクフォームグリーンティーで」

「へ」

「…ほら、後ろ詰まるから早く行くよ」

既に私の分の注文とお会計を済ませたみずっくんがそう言った。

「ひゅーうみずっくん男前ぇ」

「俺の分も奢ってくれていいよ？！」

「優斗の分はぜってぇ奢んないから安心して」

「えっ」