雄麗 ３ ページ29
そんな、ズカズカと私みたいな一般市民が遊びに行けるようなとこじゃない！
「い、家ねぇ……」
「明日小テストじゃん？だから、一緒に勉強出来たらなって！」
自然と止まっていた手。飛貴は眉を下げながら、「ダメ？」なんて呟く。
男子の、家。確かに豪邸に足を踏み入れることが恐れ多いのもある。けど、いくら飛貴とは言え部屋に二人きりって。
少しばかり、怖いって言うか。考えすぎかな。……そもそも那須の家行ったって、何も起こらない。起こったことない。
なら、飛貴も大丈夫かなぁ。しばらく考え、オッケーの返事を出そうとしたときだった。
「俺と先に予約してたから、だーめ」
ポン、と肩に乗った手のひら。驚いて上を見あげれば、そこには那須がいて。よ、予約？今日約束してたっけ……。
「へ、そうなの？残念〜。他の人誘お〜」
飛貴は口を尖らせながら前を向く。いつもの後ろ姿。私はついさっきの発言について聞こうと、那須に声をかけようとした。
けれど、那須は笑顔から一瞬でどこか冷めた瞳をして。それに気づいてしまった私は、声が出なくなった。
もしかして。怒ってる、のかも。何でかわからないけど。那須は自分の席に戻る。ため息を吐き出されたことに、モヤモヤが溜まった。
ー「ね、今日約束してたっけ？私、忘れてたかも」
「え？ううん、してないよ」
一緒に帰ろ。教室を出た途端、那須が隣に並んだ。校門を出ると、飛貴が自転車で私たちの横を軽々と横切った。
「また明日ねー！」
「ん、バイバイ！」
っていうか、約束無かったなら飛貴といれたのでは。ヘンなの。
文句の一つでも言おうとしたとき、那須が口を開いた。
「家、行こうとした？」
「へ？うん」
「……Aってガード緩いよね。行ったらヤられてるよ」
「……は？そんなわけ。ありえないし」
「てかさぁ。浮所のこと好きなのはわかるけど、順序あるでしょ。
良いように使われちゃうよ」
は？好き？私が。飛貴のこと？……はぁ！？那須は私が止まったことにも気づかず、ずんずんと先に進む。
近寄るなオーラ漂う後ろ姿を、慌てて追いかけた。
「ちょ！何でそうなるの！？好きじゃないし！」
私が好きなの、那須だからね！？無意識に掴んだ、分厚い肩。視線は絡まらなくて。
「……だいたい。私が那須の家行ったって何も無いじゃん。それと同じじゃないの？」
「何も無いって思ってるの？」
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ミント(プロフ) - どのお話もとても素敵で、短編なのに引き込まれる世界観が大好きでした！おつかれさまでした！ (2019年1月14日 15時) (
レス) id: e20fb3d910 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆちゃん(プロフ) - 私の大好きなマジョマリがまた読めるなんて感激です（ ｉ _ ｉ ）楽しみです！頑張ってください！ (2019年1月1日 2時) (レス) id: f9588c4e4d (このIDを非表示/違反報告)
真優(プロフ) - ゆうぴのお話で、ゆうぴが一個上の先輩で、主人公が後輩の関係で直接会うとあまり話せないけどラインとかだと話せるみたいな仲でクリスマスに後輩が告白する的なものが読みたいです！ (2018年12月24日 2時) (レス) id: f8f4960291 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - お忙しい中お返事ありがとうございます(TT)！わぁ、そうだったんですね…！どれも素敵なお話だったので残念で寂しいですが、お返事頂けて嬉しかったです！これからも楽しみに読ませて頂きます☆ (2018年11月22日 22時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - りんさん» りんさんはじめまして！いつもありがとうございます(*^^*)実はDeuxの方削除してしまいました……。もし好きな作品だったら本当に申し訳ないです(；_；) (2018年11月21日 19時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れなさん
| 作者ホームページ：れなちゃん(@pinky_lovers98)さんをチェックしよう https://twitter.com/pinky_t17?s=...
作成日時：2018年5月25日 17時
