Dandelion (ページ4)

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和｢丈くん…｣

急に呼ばれ大橋の方を向けば力の抜けた手で手招きしている。

一瞬躊躇したが
和｢丈くん、、、来て？｣

もう一度呼ばれた俺はゆっくりと近づいて横になっている大橋のベッド脇に立つものの大橋の事をちゃんと見れへんくて顔を逸らした。

そんな俺に大橋は未だに固く握られてるこぶしをフワッと手に取り包み込みながらゆっくり手を開かせようとしてくる。

大橋の体温を感じた俺は急に力が抜け、されるがままゆっくり手を開いた。

手のひらは血が滲んどった。

大橋がいつもより伸びている俺の爪先を触った後、血の滲んだ手のひらをさすりながら

和｢丈くん、、普段は深爪なんに、、、珍しいな？どうしたん？｣

そう聞かれて大橋の顔を見れば目が合い普段より顔色は悪いが大橋らしいふわふわした笑顔でこっちを見てくる。

俺は何も言い返せへんくて、またすぐに視線を逸らした。

すると大橋は今度は軽く俺の手を握りながら

和｢ごめんなぁ？今回のことも、、秘密にしとったことも。でもな、大ちゃんと正門は、、、責めんとって？二人は丈くんに話そうって言ってくれとったんやけど……おれが丈くんには黙っといてって、、、お願いしてたんよ。こんな形で知られたくなかってんけど、、今はまだ身体しんどくて、、、すぐに説明したくても難しいし長くなりそうやから出来ひん。でもちゃんと、、どうしてこうなったか、今どんな状態なんか、、、なんで丈くんに黙っとったんか、、おれの口から話したいと思っとるから、、待っとってくれる……？｣

まだしんどいやろう、だいぶゆっくりと話しながらそして不安からなのか徐々に俺の手を握る力を強くしながら大橋はそう聞いてきた。

俺は昨日あれほど呼び掛けても反応がなく握り返されへんかった手が今しっかり握られている事と、大橋のぬくもりを少しでも長く感じてたくて柄にも無く大きくゆっくり深呼吸しながら10秒くらいも間をあけて大橋の手を両手で握り返し大橋に目を向けながらゆっくりと答えた。

丈｢分かった｣

大橋は八の字になってた眉毛から先程同様の笑顔になり

和｢ありがとぉ｣

と言った後に大橋の力が緩むのを感じ俺も手を離した。

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