Dandelion (ページ20)

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部屋のドアを開けた俺の目に飛び込んできたのはテーブルの横で倒れてる大橋だった。

俺はすぐに駆け寄り抱き起こして呼びかけた。

力なくダラっとしていつもより重たく感じる大橋は目を閉じたままピクリともしない。

俺は必死に聞こえてるなら手を握れと叫ぶがその手は暖かいものの握られることはなかった。

そんな状態の大橋を抱き寄せれば床にわずかに散らばっている錠剤が目に入り近くに薬の空き瓶と空箱が転がっていた。

俺はますますどうすればいいのか分からなくなりパニックになり頭では助けを呼ばなきゃと思っていても身体が動かない。

その時、視界の隅にずっと鳴り響いている大橋のスマホを捉え視線を向ければ、そのディスプレイには《大ちゃん》と表示されている。

俺はすがるよう思いで手を伸ばして電話に出た。

大吾は俺が出たことにびっくりしていた様だったがちゃんとした説明もままならない中、状況を説明したらもうすぐ着くから待っててくれとだけ言って大吾は電話を切った。

それからの事は正直あまり覚えていない。

到着した大吾に大橋と別れてから見つけるまでの事は話したと思う。

その後はいつの間にか病院に着いていて、すぐに先生に直前までの様子や発見時について聞かれたけどちゃんと喋れていたかは分からない。

とにかく俺は大橋が運ばれていった処置室のドアから目が離せないままで看護師さんが慌ただしく出入りしているドアの先からチラッと見えた大橋の姿は俺の脳裏に焼き付いた。

それからは病室に移されたあと先生は発見が早く胃洗浄と点滴で薬は大体もう出たはずだから命は大丈夫って言っていた。

それなのに大橋はいつまで経っても目を覚まさなくて気がつけば次の日の夕方だった。

そして、大吾と正門に大橋に関して衝撃の事実を告げられたのだ。

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