Dandelion (ページ18)

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それらの話を聞いた俺はずっと一緒にいて気づかへんかった事、一緒の景色を見てきたはずの大橋があの時あの瞬間もしかしたら別のやつやったかもしれへん事などに呆然とする。

西｢……大丈夫です？｣

丈｢あぁ……｣

俺は俯いたまま空返事をする。

大吾はそんな俺の様子を見て少しの沈黙の後、俺の肩に手を置いて

西｢丈くん…まだはっすんの話も気持ちも聞いとらんやろ？それにもう忘れはったん？｣

大橋は大橋

大吾が言うように俺が知ってる大橋も大橋なんやろう。

顔を上げて大吾を見る。

でも、目の前の大吾と違って俺は大橋”自身”をまだ知らん。

そう、知らへんくせに勝手に……

大吾にさとされて冷静になる。

丈｢……ごめん、ありがとうな？｣

そう言えば大吾は少しホッとしたような表情で

西｢いや……こっちこそ疲れてるのに一気に話してすみません。明日の撮影は別日になったんで今日はゆっくり休んでください｣

丈｢あぁ、大吾も寝てないねんから運転気いつけや？大橋のことも……頼んだ｣

西｢わかりました。退院日が決まり次第連絡いれますね？丈くんもあまり一人で考え込まんで西畑で良ければ話聞くし、気になることあったら連絡してな？｣

丈｢おう、じゃあ…行くわ｣

西｢ほな、また｣

俺は車を降りて大吾の車を見送ってから自宅に足を向けた。

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