検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,211 hit

逢魔時 ページ1

真夏の陽が斜めへと傾き始める頃。
時刻は18時35分。

これは『逢魔時』と呼ばれる時間帯だ。
魔物に遭遇する、あるいは大きな災禍を蒙ると信じられたことから、このように書かれている。

夕陽の中、陽が跳ね返り銀色に輝く白髪を持つ青年が、バルコニーで独りたそがれていた。

彼の名は軍曹。第一天王、軍曹だ。

天王とは、『国家直属暗殺組織・フライハイト』の中の上位互換。
軍人で例えるとするならば、“大将”だ。

「何で"一応"天王で一番お偉いさんな私が〜、こうしてストレスを〜、
抱えなくちゃぁなんないんですかねぇ〜〜〜!!!!!」

軍曹は思わず、背伸び代わりにキューッと背を後ろに仰け反らせ叫んだ。
最近の仕事内容は比較的容易な物が多い。
彼は正直サボり魔なのでニートとほぼ同等な無能__否、前言撤回。

彼は、戦闘面に対して非常に優秀な人材だ。
故に、彼こそが前線及び司令部である『第一天王』なのである。

「ぐーんそーがうるせーーーーー!!!!!!!!!!」

「お前の方がやかましいねん」

「今良い所だから静かにしてくれない?」

「そろそろ窓ガラス割れない?大丈夫?」

「うわっ!誰だよ此処にブーブークッション置いた奴!!!」

軍曹の先程の声と連動し、まるで山彦のように部屋に居た者達が共鳴する。

負けじと大声を張り上げているのは、青髪とアシメンメトリーが特徴的な、第二天王、猫犬。
軍曹と同じように関西弁で話している、片目の隠れた長身の男は、第六天王、兄貴。
機密情報も含まれている膨大な資料をまとめている赤髪は、第三天王、かりんとう饅頭。
心理戦や交渉が得意な外交役で、部屋の管理も行っている、第五天王、つか。
そして、半ズボンで青っぽい毛先がぴょんびょん、と跳ねている、第四天王、獣道。

そう、天王は「六人」いる。

だから、彼等は合わせて『六天王』と呼ばれるのだ(意外とそのままである)。

……言わば、個性の殴り合いである。本当に。

六人は性格が見事なほどに全員異なっている。
が、それでも時計の中にある大きさの違う歯車のように、噛み合って動きあう。
時には、喧嘩もする。しかし、絶交ほどは行ったことがない。

彼等は六人で一つなのだ。

常に何事も、六人で熟す。

出来ないことなど、〇に等しい。



__あの得体の知れない奴を、預かることになろうとは。

一体誰が考えた?

不寝の番→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.4/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:天王() , 天王 , 二次創作   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

劣化水銀(プロフ) - 36位…???有難うございナス!!! (2018年6月21日 22時) (レス) id: 421c0c814f (このIDを非表示/違反報告)
劣化水銀(プロフ) - 待たれてましたッ (2018年6月19日 18時) (レス) id: 691c01ec0b (このIDを非表示/違反報告)
猫犬 - ヒィッッ待ってました!!!! (2018年6月19日 1時) (レス) id: 21c60ad337 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:劣化水銀 | 作成日時:2018年6月18日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。