第25話：ズルい男 ページ25
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張り詰めたような空気の住宅街。
心求党党首、花畑孔腔が連合を｢主賓｣と呼称する。
｢……私、こういう人苦手だ｣
｢少しも歓迎ムードじゃ無ェしな｣
荼毘の背中に隠れたAは、頬を膨らませながら花畑を睨む。
お構い無しに指を鳴らした彼は容赦無く“再臨祭”を決起した。
｢ッおいA！お前、戦えるンか？！｣
｢あは、逃げ専門の人間に決まってるじゃんね｣
散り散りになる直前、スピナーが声を上げた。
確かに連合はこれまでAの戦闘姿を見たことが無い。
時折、凄まじい殺意を露わにすることはあるが具体的な戦術を想像することが出来ない。
｢でも、無力じゃ
仕掛けられた爆弾の風圧を受け流しながら笑うAは久しぶりに狂気に満ちた顔を見せていた。
｢連絡があった、こいつが事前資料に無かった1人だ！｣
｢なんだよ、トガヒミコよりも貧弱そうな女じゃねえか？とっとと殺っちまえ！｣
｢……え〜? 性別で判断するの、ナンセンスだな〜｣
複数人同時に襲いかかる潜伏解放戦士の懐へ潜り込み鳩尾に強烈な蹴りを入れ、その反動で体を回転させ踵落としを喰らわせる。
｢俺の
ドスの効いた低い声が稲妻のように地を這う。
一瞬にして解放戦士が怯んだが、花畑の“個性”によってブーストをかけられた彼らは力み直し、武器を構えた。
｢な、なんだ？男になったぞ！｣
｢動じるな、確実に仕留め____う、ぐッ｣
｢可哀想に。こんなことに労力を割くより美味しいものを食べる方が人生、もっと豊かになるよ｣
返り血を拭いながら立ち上がり振り返ったAの満面の笑みは、狂気そのものだった。
｢大丈夫かなぁ、皆……｣
断続的に発生する爆発音の先ではトガが交戦中のようだ。口内に滲んだ血をぺっ、と吐き捨て四方を見たAは即座に索敵を行う。
｢へえ。“あれ”、トガちゃんがやってるのか｣
空を見上げると数名の解放戦士とその幹部が宙に浮いており、やがて地面に叩きつけられ血肉が弾ける破裂音が響く。
｢いや〜愉快、愉快。仁くん、トラウマ克服だねぇ｣
倍々に増えていくトゥワイスを褒め称える頃には、Aを襲った敵は全員地面に伏していた。
｢(早く誰かと合流したいな……)｣
黒猫に姿を変え塀の上を走りながら連合の匂いを辿る。聴覚と嗅覚に関しては、この姿が最も効率的だ。
しかし、何処も彼処も血臭と火薬臭ばかりで察知しようが無い。
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第26話：真冬の昼の現実→←第24話：Guilt world
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乃愛(プロフ) - ほんとうに、すきです... (2021年10月3日 1時) (
レス) @page28 id: 78a106acd8 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - もう好きです！あづまさんの小説！これからも読ませてください！ (2021年9月27日 6時) (レス) @page23 id: 30b611b787 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - すごい主人公の危うさが綺麗に表現されていて好きです！(語彙力なくてすみません) (2021年9月22日 18時) (レス) @page16 id: 7259fb1aa4 (このIDを非表示/違反報告)
御堂(プロフ) - 初めまして。こういった敵連合のお話すごく好きなので嬉しいです、前作から見ていて言葉の表現とかタイトルとか凄く綺麗で読みやすいな~と思いコメントさせて頂きました…！無理せず更新頑張ってください！楽しみに待っております◎ (2021年9月18日 13時) (レス) id: 45dbeb9083 (このIDを非表示/違反報告)
落魄 - すみません、誤字がひどいですね。最後の分はあづまさんがいいならコメントしたいのですが大丈夫でしょうか？と打とうとしたものです。支離滅裂な文章ですみません。 (2021年9月18日 11時) (レス) id: 03af4fb6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あづま | 作成日時：2021年9月18日 1時
