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No side
『……』
陽気な音楽が流れるその店の中心では、真っ赤なベールを羽織った一人の女が踊りを披露する。
動く度に装飾品が揺れ、軽やかな金属音を店に轟かせる。
「いいぞー！姉ちゃん！！」
「かぁわいぃなぁ〜！」
「もっとこっちに寄ってくれよー！」
客が求める声に応えるように膝を曲げ、手を伸ばすと服の隙間に何枚もの札が入れこまれた。
「なぁ店主さんよぉ…ありゃ相当良い女だな。どこで見つけた？」
店主「…野良猫みたいにうちに来て住み着いてるだけさ。俺が見つけたわけじゃあねぇ。」
影が差すカウンターでは一人の男が目を光らせていた。
「ｸｯｸｯｸ…そうかい。飼い猫じゃねーんなら誰が拾おうと自由だなぁ。」
カウンター席で酒を飲む随分と体の大きな男は舐める様に娘を見ると片手に持った酒を飲み干した。
店主「今はここがあいつの家だ。勝手に奪う事など俺が許さん。」
その眼光は目の前に座る巨体を捉えて逃がす気は無い様子。
「…っは、怖ぇ顔。許可なんていらねぇよ。海賊はな…欲しいもんは奪うんだよォ！この手でな！！」
ゲラゲラと大口を開け己を海賊だと言う男は店を後にした。
店主「……」
『見ない顔ね…また海賊かしら。』
ステージから降りた娘は、挟まれた札束を手に束ねながら今度はカウンターへと姿を見せた。
『私も何か手伝うわ、バンダル。』
バンダル「おぉA。今日も随分と人気だったな。外国の商人がこの島に滞在しているらしいぞ。これから行って欲しいもんがあるか見て来るといい。」
『そうなの？でもまだ店の片付けだって残って…』
バルダン「そんなのお前が気にすることじゃない。お前はまだ若いのによく働いてるよ。」
そう言って頭を撫でると少女は強ばった表情を赤くさせた。
『お、お前にも土産！なんか買ってきてやるよ！！大人しく待っとけ！！！』
それだけ言うと勢いよく店を出て行く女。
バルダン「…あぁ。楽しみにしているよ。」
照れ隠しの為に口が悪くなる彼女はバルダンが実の娘のように可愛がる少女。
昔、嵐が彼女をここへ連れて来た。
幼さを残したその目にはその頃既に闇しか写していなかった。
血塗れの姿を見ても、怪我の理由も、
何も聞かずに男は少女を家に招き入れた。
それから5年もの間、少女は男の元へ住み着いてる。
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おだんご(プロフ) - 瑠李さん» 気に入って頂けて嬉しいです！！最近更新出来てなくて申し訳ないですがこれからも楽しんでくれると嬉しいです💗 (2022年9月20日 12時) (
レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 初コメ失礼します。何度の読み返すぐらい大好きな作品です( ◜ᴗ◝ )ﾆｺ更新楽しみに待っています⸜( •⌄• )⸝頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧応援してます。 (2022年9月18日 14時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
おだんご(プロフ) - 咲来(名前)さん» コメントありがとうございます！すっごく嬉しいです頑張ります🥹 (2022年8月31日 12時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
咲来(名前)(プロフ) - すごく大好きです！これからも更新頑張ってください❗️ (2022年8月30日 21時) (レス) id: ff57aa709d (このIDを非表示/違反報告)
おだんご(プロフ) - くいっくさん» ありがとうございます！その言葉凄く励みになります😭 (2022年8月7日 13時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おだんご | 作成日時：2022年8月4日 19時
