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『ねぇ、もしかしたらなんだけど……』

私はふと思い当たることがあり、口を開いた。

光「なにかあるんですか?」

『うん。あのね、銅像と同じ原理じゃないかな……って』

光「同じ原理?」

こてん、と首をかしげる光くんに、私は説明する。

『この藁人形、片目しかないでしょ?それに、この青い石と対になっている気がするの』

光「つまり、この赤い石も取り出して使う……というわけですか?」

問いかけてくる光くんに、私は頷いた。

『だけど、どうやってそれを取り出すかどうかなんだよね……』

光「それなら方法はありますよ」

間髪いれずに答えた光くんを、私は驚いて見つめた。

光「燃やせばいいんです」

『燃やすって……暖炉で?』

私の問いかけに、光くんは頷く。

光「石は燃えないですし……藁人形だけ燃やせば、この石は取り出せると思いますよ」

その言葉を聞いて、私は言った。

『じゃあ、早速行こう!』

光「そう言うと思いました」

光くんは苦笑しながらも、「行きましょう」と私を促した。

暖炉の前に着くと、光くんは人形を取り出した。

『この中に入れればいいんだよね?』

光「たぶんそれでいいと思いますよ」

そう答えると、光くんは私を見て言った。

光「火花が飛んだら危ないので、下がっててください」

『わかった』

私が少し後ろに移動したのを確認して、光くんは人形を暖炉の中に投げ入れた。

しばらくして暖炉の前に、ころん、とした赤い石が姿を現した。

『これで二つそろったわけだけど……』

光「どこに使うか、ですね」

小さな二つの石を眺めていると、ある考えが浮かんだ。

『人形の目……?』

思わず呟いた私の言葉に、光くんははっ、としたようにこちらを向いた。

光「きっとそれですよ!人形の目の大きさにも当てはまりますし、確か、両方目のない人形もあったはずです」

『あの変なポーズしてる人形の隣のやつだっけ?』

光「確かそうだったはずです」

『じゃあ、そこに石をはめこめば……!』

私達は頷くと、その部屋に向かった。

例の部屋に入ると、思った通り、両方の目がない人形があった。

『はめるよ?』

光「はい」

青い石、赤い石の二つを、人形の目にはめる。

すると、

『ひっ……!』

光「うわ……っ」

人形の首がぽとりと落ちて、私達は声を上げる。

『びっくりした……』

光「首だけ取れるって、心臓に悪いですね」

そう言って、光くんは人形の首に手を伸ばした。

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水無月梅雨(プロフ) - 風丸さんと円堂さんが死んで、その次は推しのヒロトくん!号泣しました。一星くんと両想い、おめでとう (2020年8月17日 14時) (レス) id: 94c4844f93 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 良かった…ちゃんと、かえって来てくれた! (2020年6月19日 19時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶之夢 - 風丸と円堂、ヒロトで大打撃なのに次は誰が死んじゃうのよ!更新頑張ってください! (2020年6月15日 21時) (レス) id: c7cfce80ec (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 光くん、ずっと守っていてくれてかっこいい!最後光くんが部屋から出ていっちゃったけど、どうなったんだろう。更新頑張って下さい(^o^)/ (2020年6月6日 18時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 光くんむっちゃほんとにかっこよすぎる………Yニャンさんのお話ほんとに大好きです……!更新頑張ってください( *´艸`)応援しています! (2020年6月4日 12時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にゃんたまファシル | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年10月16日 18時

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