Honey Citrus

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「俺あんま川下さんと話した事無いんだよなー…」



私より少し早いタイミングで食事を終えていた北山さんが

天井見上げながらそう呟く。





川下さんは、まだ入社から２年だけど

仕事のできる真面目な良い子で。



そして、とっても可愛い、、！



同じ美人さんでも、結衣とはまたタイプが違うんだよねー…




「でも確かに、川下さんなら北山さんの鬼っぷりにも冷静に対応出来そうですね……」



「誰が鬼だ？」



ああん？？ってヤンキー顔負けの凄みで怒ってくる。




「嘘ですすみません…」


「そもそも俺が怒るのはお前がミスをした時で……」


「はーいーー私が悪いんです！分かってます！！」




また長くお説教されそうだったから、

慌てて食い気味に謝る。




んだよ、って悪態ついてる北山さん。






「お前さ、俺のこと鬼とか言ってくるけど

　こっちの仕事大体こなせるようになってるし、

　なんならそっちも鬼化してるからな？」


「え"」



心外すぎて変な声出た…





言ってきた張本人は、したり顔で

クスクス笑ってる。



もう……






「北山さんは何でモテるんでしょうか…」



「は？」




不満そうにこちらを見てくるその顔は

くっきりしてて整ってるとは思うし、


こっちが羨ましくなるくらい肌モチモチだし、


まぁイケメンなのは認めるけど……





「北山さん、社内にファン沢山いるの分かってますか？」


「なんだよいきなり…」


「こうやって北山さんと一緒に天丼食べたいな〜っていう子きっと大勢いますよ！？」


「だーかーらなんなんだよ！！」




こうやって無自覚なのがモヤモヤする……というか腹立つ！




きっとみんな営業部にきて一緒に働いたら

北山さんのホントの顔が……








「じゃあお前はどうなんだよ」



「え……？」




唐突に聞かれて、北山さんの顔見たまま固まった。






「だからお前も、そのお前が言うような社員と同じように

　俺のことそういう風に思ってるわけ？」





どうなんだよ、って少し距離を詰められて


思わず少し後ろに身体を引く。





真っ直ぐ見てくる目が

思ったよりもふざけてなくて、

少し焦る。





えっと……





そんなの、




「…そんなのありえないじゃないですか、」



「あ？」





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