はるの恋びと

06.電話 ページ6

〆．



それが、彼との出逢いの話。



「聞いて！昨日、Aちゃんのこと考えて10回くらいやってもた！」



「お盛んなことで」



私が帰る時間(バス停に座ってる30分くらい)を狙って、彼はいつもやってくる。



「あ。明日はバイト無いから」



「え！？嫌や！一日でも会えへんかったら死ぬ！！」



「死なないよ」



「あかんって……」



泣きそうになってるのに、下半身はかなり元気なご様子。



「うーん………」



ちょっと考えて、ケータイの画面を向けた。



「へ、？」



「大毅くんと会えないの、私もなんか寂しいから」



「！！！！」



あ、そう。名前で呼び合ってます。



「やば、いつでもAちゃんの声聞けるやん！？」



「私が通話ボタン押したらね」



拒否したらごめんね、と言葉を添えると、即かかってくる電話。



「電話越しのAちゃんの声………はぁ、やば」



「あ、バス来た。それじゃあ」



「またなー！！」



バス代高いから、私は交通費出るけど彼には痛手みたい。



てきとーに手を振って、私と運転手さん以外乗っていない車内に心を落ち着かせた。



〆．

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