はるの恋びと

03.変態 ページ50

〆．



「やっぱ俺、そういう願望あるんかな〜…」



「好きな人が他の男の人に抱かれるっていう？」



「んん………。でも、気持ちは俺の方向いててほしい」



「体だけ寝取られたいんだね」



厄介だなぁ。



「あの状況に引かなかった流星くんと望はすごいよ」



「理解あんねん、二人とも」



諦めてるんだろうな。慣れちゃってるのかな。



「私は嫌だけどね。気持ちは揺らいでなくても、大毅くんが他の人と寝てたら」



「絶対寝ぇへん、Aの体やないときっと萎えるし」



「まずそんな状況にならないように気をつけてよ」



「頑張るから、お守りがわりに……」



大毅くんが私の手を握る。



「Aの手と舌と肌と体の感覚、俺の体にたっぷり覚えさせて？」



「誘い方のレパートリーがまた増えたね。ベッド行く？」



「リビングでやる！！このAが押し倒されてた美味しい………やなくて、忌まわしいソファーの記憶を塗り替えるんや！！」



「本音漏れてるけど、いいよ？私も浮気しないように気をつけたいから感覚染み込ませて？」



「う………」



「やっぱ何か違うんだ？めちゃくちゃにしたいとかいっぱい愛し合いたいとかは思っても、ちょっと寝取られた私の姿も想像しちゃうんだ？」



「新たな興奮材料見つけたけど、これは妄想で補うから。ほんまには寝取られんといて」



「………はーい」



大毅くんの変態は変わらない。



出会った時からずーっと。



なんなら悪化してる。



「A、今度さ、ちょっとやってみたいことあんねんけど」



「なに？」



「Aの下着つけてやりたい」



「想像の斜め上だったけどそこが通常の道だから何も驚かないや。どれにする？」



「白に赤のリボンのやつ！！！！」



「昨日ネットで注文したやつだね、なんで知ってるのかな」



こわいなぁ。



「Aが一日履いて、脱ぎたてのをつけたい♡」



「………どうぞご自由に」



彼の変態は、永遠に終わりません。



〆．

(今は)おしまい

〆．

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