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人間が死ぬ事を認めない。
ある医師が言った。
死があるから人間は進化する。
ある科学者が言った。
「どうして"愛"してしまったんだ?」
青い髪の青年が言う。
「皆そうだ、彼女に惹かれてしまう」
赤い髪の男が続ける。
リヴァが消えた事により 動かなくなったアレフ。
「失敗だ、失敗だ。私達は消して欲しいだけなのに」
シルヴァは彼らが何を言っているのか分からない。
消して欲しい…?愛してしまった…?
彼らは誰だ?
「「「お前が殺せなかったから」」」
「先生!こいつら何なんだよ!!」
カインが叫ぶ
「知らん!急に湧いたぞ!」
肉片の塊のような怪物が地面から湧いたと思ったらカインに襲いかかってきた。
イグニスには目もくれず カインだけを狙っているようだ。
他方でも同じ。
「兄さん!無事?!」
アルスがラインハルトの元に走る。
「あぁ、それより大変だ」
「何が!」
「母さんの魔力が消えた」
「「「そうだ、ならいっそ、全部消そう」」」
彼らは三人同時に話す、一つの思考を共有しているような。
訝しげに隣に立っているルカの存在に気づくシルヴァ。
「いつの間に…」
「あぁ、こいつはもうダメだ、死んでる」
アレフの首を掴み 持ち上げる。
「でも残念だな、俺は"死"そのものに興味は無いんだよ、否定させてもらうよ」
言い放った瞬間、息を吹き返すアレフ。
「っ…カハッ…!?なん…」
捨てるように投げ飛ばす ルカ。
「誰だ、お前達、観測者…?違うな…もっと…あぁ、都市伝説だと思っていたが…本当に…」
「知ってるん…ですか」
心が折れているシルヴァが弱々しく。
「多分だけど彼ら、躰だね」
「躰…?」
「説明してる暇は無いんじゃないかな?来るよ」
地面を切り裂きながら進む赤い髪の男。
それを蹴っ飛ばしながら避けるルカ、脇にはシルヴァを抱えている。
「困るんだよね、非常に!すごーく!後継者を潰されちゃメンツが立たない!」
アレフが立ち上がると切りかかる白い髪の女。
「っ…コイツ!!」
女の癖に力がある。
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