蒼剣【創作】4 (ページ40)

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今日超えてページ40

「特にやることがない」
小さな動物をもふもふする。
動いたら殺されるとでも思っているのだろうか…
身動き一つしない…
「こういう日は幽閉されていた事を思い出すね～」
太陽と同じ色の髪を忌まわしいと思った時の事。
自分の能力をまだ扱いきれていなかった頃。
僕はアレ(ルナ)の影だ
幻獣でも龍でも。神でもないし人でもない紛い物。
道化。
進んで幽閉されたのも。そんな自分が大嫌いだったから。何も与えられなかった者。運命も奇跡も偶然も。

ーーそれが僕(ルカ)だった

扉の向こうで誰かが叫ぶ。
知らない声だ。
「私は客人だぞ？」
暗い部屋の扉が開く。ただそれを眩しいとだけ思っていた。
「私はパンレヤから来た。レヴィです。貴方を王にする為にここへ来ました」
レヴィは騎士の名家に産まれ騎士の名を捨てた人間だった。
「…何を言っているのかさっぱりだな…」
王に？王になどなれない
僕には力が無いのだから。
「いえ、貴方は力がお有りです。暗闇の底を知っている。」
「扱いきれない力など無いに等しいだろ。僕は本を読むのに忙しい…早くーーー？！」
腕を掴まれる。
「まずそのお召し物を着替えましょう！それから顔を洗ってご飯にしますよ！王！」
例えようの無い金髪。黄金よりも綺麗な…
「…不味い｣
美味しくない…いや、美味しいと感じた事は無かったが…不味い。
「きっと外に出て遊ばないからでしょう！では、体力作りを兼ねて外で遊びましょう！」
レヴィはボールやら模擬刀やらを持ってきた。
ただ遊びたかっただけなのだろう。
廊下で何度も"アレ"とすれ違った。
アイツは笑っている。ただ笑顔で僕とは正反対だった。
別になんとも思わなかったが。
「なぁ、レヴィ」
後ろを歩くレヴィも僕に合わせて止まる。
「はい？」
それだけ返事する
「いや。何でもない」
彼女はレヴィは料理が出来ない、洗濯ができない。掃除ができない。そんな人間だった。
だが、剣の腕は確かだった。