お茶でもどうっ？ ページ4
シルヴァに向けられた死の刃
瞬間間に入って阻止したのは…
「リヴァ！！！」
叫んだのはシルヴァ ルカの目は冷酷を極めていた
「立って歩くのすら辛いのに、態々 自らを盾にするってのは…頂けないな」
リヴァの生命は消えかけていて だが 表情は笑っていて
「ねぇ、父さん…何でもっと早く来てくれなかったの？」
泣いていた
私こんなに苦しんだんだよ、痛かったんだよ…と 吐露する
どうして、助けに来てくれなかったの？
そしたら、アレフもシルヴァも…皆 こんなにならなくて済んだのに…と 声に出せない
「黙って俺の言うこと聞けなんて言わねぇけどさ 邪魔だけはするなよ」
「…リヴァ？」
アレフは何が何だか分からなかった ただ
心臓の音が煩い、周りの音が聴こえないくらいに、何処かでカチッと何かがハズれた音がした
力が湧き上がる 怒りのまま 足を抑えている死屍を壊す
「殺す…ッ！！」
殺せ、殺せと湧きたてる何かに反応して
黒く光る大剣がルカを切り裂こうとするが
ルカは舌打ち一つでそれを防ぐ
「暴走…面白い者がいたものだ」
ルカは余裕そうに笑ってみせる
「ッ！！」
身が軋む、だがそんな事はどうでもいい
ルカに斬撃を幾度となくぶつけるが
全て消される
「…ダメ…ダメだよ…っ」
血が止まらない 早くアレフを止めなければいけないのに動けない
「リヴァ…っ！」
シルヴァが駆け寄るがリヴァにはそれが見えていない
「アレフ…、嫌だ、ダメだよ…」
そっちに行ってはいけない、戻れなくなってしまう
「アレフ、どうしちゃったんですか…！？」
シルヴァがリヴァを抱き抱える
少しでも傷口が地面に付かないように
「…っ、形勢逆転…？ありえねぇ…｣
アレフはルカに剣を向ける
「ダメーーーー！！」
ルカとアレフの間に飛び込んだのはリヴァ
リヴァの体を貫く剣
「邪魔をするな…｣
アレフは冷たく言い放ちリヴァを引き剥がそうとするがリヴァは自分の体を深く剣に突き刺す
ルカは驚きが隠せなかった
動けなかったはずだ走る力なんて何処にも…
「アレフ…ダメだよ、戻ってきて」
リヴァは剣に貫かれたまま アレフを抱き締める
そして、アレフは正気に戻る
「…あぁ、もう痛いなぁ…笑っちゃうわ…何で貴方泣きそうなのよ…」
訳が分からない何故
「すまない、すまない…」
戯言のように繰り返すアレフはリヴァを両の手で抱き締め返すと
剣は消える
「本当…痛いです…」
シルヴァの顔に冷や汗が垂れる
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作者名：夢無 | 作成日時：2017年6月16日 5時
