蒼剣【創作】4 (ページ30)

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甘言ほど甘いものは無いページ30

「嬢ちゃん、そんなに死にたいなら殺してやろうか？」
廊下ですれ違ったクドにそう言われる
「クドには無理よ、出来ないわ」
リヴァはニヤけたままクドに向けて告げる
「殺すって言うのはね？いや、やっぱりいい、貴方ね仮にも神父なんだから、そんなこと口走っちゃだーめ、わかった？｣
「へいへい、わるぅござんした」
「これは、シルヴァには内緒なのだけど、私ももう永くないから」
クドは衝動に駆られてリヴァの胸倉を掴み壁に叩きつける、そして目を見て
「どういうことだ！？なんで黙ってた！！」
「なんで、なんでねぇ…どうしてでしょう…？私もわからないわ、きっと、心配させたくなかったのよ」
抵抗はしない、このまま絞め殺されるならそれでいい
「それに、話しちゃうとどうにかしようって皆辛い顔するでしょ？ならいつも通り笑ってて欲しいわ」
「お前はいつもいつも！なんで俺達に相談しない！？」
「相談して何とかなった？私もいつか朽ちるのよ、だからこれでいい｣
死ぬのに関しては仕方ないと思う、
仕方ない、仕方ないのだ
「下ろしてくれないかしら、クド」
「…悪い」
リヴァは竜王のコートを空間から取り出し羽織ると
「知らないふりをして、黙ってて」

「リヴァ、継承の儀をするつもりか？」
イグニスが寂しそうにリヴァに話しかける
「あら、イグニスいたの？」
「いたの、というか…リヴァをみかけて駆け寄ったのだが…そうか」
リヴァはポンと手を叩く
「イグニス、貴方にあげましょうか」
「余は要らぬ、そんな力…リヴァが居なくなるのに、そんな力…欲しくもない」
イグニスはリヴァより強い、そんな人が狼狽えている、
「仕方ないわ、別の子にあげるとしましょう…」
「主、子供は？どうするのだ？あの夫達が…」
リヴァは驚く、少しイグニスに引いている…
「気づいてたの？気持ち悪い…」
「酷いな！？余は主を案じていて…」
リヴァは腕を摩る
「そうね、兄の方はなんにも異常はないわ、でも妹の方は…あれはもうダメね…」
「では、妹の方に！」
「馬鹿言わないで！子供達には私と同じ思いはさせたくないの」
リヴァが叫ぶ、
「余が守る、その子供は余が守ろう…迫害されぬように、虐められぬように」