元星柱は大罪人【七つの大罪】【鬼滅の刃】

三十八番星 ページ42

薬を飲ませてしばらく経った頃。


ﾃﾞｨｱﾝﾇ「団長の事は頼んだよ」



そう聞こえた。恐らくディアンヌ殿はメリオダスの身を案じて、一人でバステ監獄へ向かってしまったのだろう。

私に止める理由はない。だが、聖騎士が何人居るか分からない以上、無理はして欲しくない。


彼女の無事を祈り、メリオダスの看病に専念する。ホークとエリザベスも戻った。




ﾎｰｸ「まるで死んだみてーに眠るな」


『……此奴はこの位じゃ死なない』


ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「そうよホークちゃん！怖いこと言わないで！」



空気が揺れた。振り返るが誰も居ない。
二人は不思議そうに私の顔を覗き込む。





「ダナ君ご苦労様。
首尾よくやってくれたようだねぇ」


ﾎｰｸ「なっ、なんだ！？」


ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「誰です！？」





姿の無い者の声に、ホークとエリザベスが辺りを見渡して警戒する。



聖騎士だ。居ないんじゃない、見えないだけ。



魔力も強さも今はいい。
気配を探れ。気配を感じろ…！






ﾀﾞﾅ「トリカブト、ベラドンナ、ミドリゲンセイ、ヒスイの葉…。
特別配合の劇毒でこの少年は二度と目覚めることはありません」


ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「劇毒って…傷を癒すための薬ではなかったのですか！？」




大分やばい物飲ませようとしてたんだな…。

毒だという事を口にした先生の肩を、エリザベスが掴む。すると、また声が聞こえてくる。




「いくら我々と言えど、《七つの大罪》と正面からぶつかれば無事では済みませんからね。
…それに王国は、目的を果たす為なら手段は問わぬと」






移動している。

息を潜めるのが上手い聖騎士だ。
此奴らが今動いたのは、目的を果たす為。そしてその目的はエリザベス。








それなら……。






ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「誰なの…？姿を現しなさい！」


聖騎士「お初にお目にかかります。
我は不気味な牙(ウィアード・ファング)の一人、聖騎士ゴルギウス。



……おっと、」




『触るな、近づくな、消えろ』


ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「A…！」


ﾎｰｸ「どっから現れやがった！？」





予想通り。

エリザベスを背中に隠し、暴言の雨を降らせる。
雨なんてまだまだ甘いもんだ。キレた時は暴言の槍を降らせてやるわこの野郎。




ｺﾞﾙｷﾞｳｽ「聖騎士に向かってその口の利き方……やはり《七つの大罪》は危険ですよ、王女様」





声だけだった人物がようやく姿を現した。
聖騎士ゴルギウス、気持ち悪い笑い方する奴だ。

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