元星柱は大罪人【七つの大罪】【鬼滅の刃】

十八番星 ページ22

『エリザベス、大丈夫か？』


ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「あ、A…」





エリザベスはお客様から見えないところにしゃがみこんでいる。私が声をかけるとバッと顔を上げ、泣き出してしまった。


急に泣き出されるものだから私も焦る。
……こういう時はおまじない。





ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「A…？」


『大丈夫、此処に居る。何があったか話せるか？』





おまじない、と言っても抱擁をするだけの些細なことだ。
だが、カナエやしのぶちゃんなどから、私の抱擁は安心すると言われる。何故だかは分からないが。

サラサラのエリザベスの髪。その上を優しく撫でる。





ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「私っ…全然何も、出来なくて…！
……失敗ばかりして、メリオダス様やA…お客さんにまで、迷惑っ、かけちゃって……」



きっとエリザベスは、何事も一生懸命に成し遂げようとする子なのだろう。その分、責任感も強いはず。




『そうか…。
だが、皆最初はそんなものだ。失敗して当然、そこから伸びていくんだ。

それに今朝も言ったが、エリザベスは何も出来ない訳では無い。メリオダスも、お客様も、そんなこと思ってないぞ？』




つぅ…と彼女の頬を伝う涙を指で優しく拭ってあげると、彼女は目を細めて笑った。




『もう大丈夫だ。
さ、早く仕事に戻ろう。私達は看板娘だ、お客様が待ってるぞ』


ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「うん…！」



さっきとは打って変わって優しく微笑んでいた。涙も跡に残らなそうだし、とりあえず一安心だな。





ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「ありがとうA！
何だか、Aに話を聞いてもらったら心が楽になって…抱擁だって凄く安心したの。
不思議ね…！

失敗してもめげずに頑張る！！」



『鳴呼、そうだな。

……女の一番の化粧は笑顔だ、エリザベスのその笑顔は周りをも巻き込んで明るくしてくれる。頼りにしてるぞ』






パァァァ…！と表情を明るくして、仕事に取り掛かり始めた。


先程よりミスが減り、テキパキと仕事が出来ている………凄いな。




『私も仕事するか』



エリザベスに力づけられ、私も仕事に取り掛かった。

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