ハーマイオニーとお勉強 ページ26
××
ここぞとばかりにハーマイオニーが手を上げた。
流石の博識ね、シェリーは改めてハーマイオニーの頭脳に舌を巻く。彼女は凄い。心の底から勉学を愛している。
「ポッター、もうひとつ聞こう！
ベゾアール石を見つけてこいと言われたら、どこで探すかね？」
しかし、この男の眼中にはハリーしかいないようだ。シェリーはノートを膝の上に滑らせ、机の下で何かを書き込んでいく。あくまでスネイプに気づかれないように。
「わ、わかりません」
「授業にくる前に教科書を開いてみようとは思わなかった、というわけだな、ポッター、え？」
あぁ、これでは授業というよりただの公開処刑だ。この男はハリーをバカにして楽しんでいる。シェリーは唇を震わせ、更にペンを走らせた。
「ポッター、君はこんなこともわからないのか？無知とは愚かで、なんと恥ずべきことなのだろうな」
スリザリンの席から笑い声が上がった。
シェリーはメモを破るとハリーの膝に移動させる。ハリーはメモを一瞥し、驚いたようにシェリーを見た。そしてニヤリと笑い、椅子から立ち上がる。
「えぇ……今、思い出しました。アスフォデルとニガヨモギを合わせると眠り薬となる。その強力さから『生ける屍』と呼ばれている。次にベゾアール石は山羊の胃から取り出す石で大抵の毒に対する解毒財となる───これでどうでしょう？」
ハリーは自信に満ちた笑みを浮かべ、スネイプに云った。ハリーも小さな皮肉屋だ。しかし、その笑みがスネイプが最も憎む……そう、ハリーの父親と、一瞬だけ重なって見えて、スネイプのハリーへの嫌悪がより強くなった。
予想外の反撃に面食らうスネイプを見て、シェリーも口の端に笑みを浮かべた。
「……ポッター、君の見下した態度でグリフィンドールは一点減点」
スネイプはそこでふと、憎悪の視線を感じた。
視線の主を探す。ハリーの隣にいた少女、シェリー・アドラーを見て言葉を失った。彼女の赤い瞳は───怒りで更に赤く燃えあがっていたのだ。鮮烈な赤にスネイプの思考は停止する。毒蛇。そんな言葉が相応しい。
(シェリー・アドラー……)
スネイプはその名を心の中で唱えた。
そしてゆっくりと目を閉じ、もう一度シェリーに視線を向ける。相変わらずシェリーはスネイプに敵対心を抱いているようだったが、今さらそんなことを気にする性格でもない。
スネイプはそんなことを考えながら、次の授業に移った。
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好き - めっちゃ面白いです！！質問ですが、クララさんは「リミット」の主人公という解釈であっていますか？ (2023年9月11日 22時) (
レス) @page50 id: 7b1f7a885b (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ(プロフ) - すみません。アドラーというのは本作に出てきますでしょうか。調べても出てこなくて… (2023年8月24日 9時) (レス) @page49 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
本都 - 失礼します。クララの子供はレギュラスの子供でしょうか (2021年8月15日 13時) (レス) id: 7aa513530e (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 柊あんずさん» どんな更新速度でも完結まで追い続けます！応援してます！ (2020年10月24日 0時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます〜！今までが遅すぎたんですよ…だってこれ連載したの2018年ですからね…申し訳ない…これからも応援よろしくお願いいたします…！ (2020年10月23日 21時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんず
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HiiragiAnzu/
作成日時：2018年11月16日 14時
