ホワイトサワー ページ33
遂に明日からテストです。
ということで、ただいま絶賛追い込み中なのですが,,,
「あー！もう限界！
何で明日暗記教科ばっかりなん？」
そう言って力尽きてしまった慎太郎。
明日の教科は地理、英語表現という二大巨頭がそびえ立ってます。
「もう脳がキャパオーバーだって言ってるよね。
1個覚えたら1個忘れてる感じするもん」
「それな」
ちなみに田中くんは
「眠い」
そう一言呟いて動かなくなりました。絶対寝た。
「みんな〜頑張ってる？」
「こーちじゃん！どうしたの！」
「明日は俺が教えた地理もあることだし
みんな頑張ってるかなーと思って見にきたのよ」
そう言って入ってきた先輩の手にはコンビニの袋。
「それくれるの！！」
「あげようかなーと思ってきたのに樹寝てるしなー」
「起きてます！はい！
ちょっと目を閉じて考えてただけなので！はい！」
いや、田中くんさっきまで半目で寝てたね。
「ひゃはは、じゃあ頑張ってる皆にプレゼントです」
どーぞ、先輩はそう言って袋をくれた。
「こーち！アイスじゃん！天才！」
「おれこれ〜」
田中くんが選んだのはソーダ味の棒アイス。
「あ、このアイス 俺好きなやつだ！」
そう言って慎太郎が取り出そうとすると
横から先輩が手を伸ばした。
「これは俺とAちゃんが食べるやつだからダメでーす」
先輩の手には思い出のアイスがあった。
2人でシェアして食べる定番のやつ。
放課後の練習終わりによく買ってくれた。
私たちのお気に入りはホワイトサワー味だったな。
「Aちゃん、明日のテスト頑張ってね！
はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
先輩がこれだけ応援してくれるなら大丈夫。
そんな気がした。
思い出の味は、あの頃と変わらず
爽やかで、冷たくて、甘かった。
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作者名：はりのこ | 作成日時：2022年6月22日 22時
