もう寝ません ページ17
「おはよう、慎太郎、Aちゃん」
「あ！こーちじゃん！
おはよう」
「おはようございます！先輩」
教育実習生は毎朝門のところに立ってみんなに挨拶をするのが
うちの学校の恒例行事。
「今日も一日頑張ろうね」
うん、頑張れる。貴方のその言葉だけで。
「はーい、教科書の58ページ開いてくださーい
今日は乾燥帯についてやっていきますよー」
頑張れるんだけど！！
もう既に眠いんですよ,,,
何でかなー本当に。
昨日寝たけどな？
「ここ問題で問われやすいからチェックとか ー 」
ツンツン。
トントン。
トントントン。
は,,,寝てた,,,
誰だ？後ろは壁だぞ？
と思いながらチラッと振り返ると
" お は よ う "
そう口パクで伝えてくる先輩。
先輩に起こされるなんて,,,恥ずかしい！！！
すぐに前を向いて授業を受ける。
もう目はギンギンに冴えていた。
「先輩！あの,,,ありがとうございます」
「さすがにAちゃん爆睡しすぎなのよ
今にも寝言言い出しそうでヒヤヒヤしたんだから」
「何だか眠くなっちゃうんですよねーあはは,,,」
すると先輩は、少し屈んで
「まあ俺も、あの先生の授業よく寝てたから気持ち分かるよ」
そう言って、いたずらっ子のように笑った。
「査定授業はAちゃんが寝ない授業を目標に頑張ろうかな！」
ばいばい、お互い頑張ろうねと言い残し、去っていった。
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作者名：はりのこ | 作成日時：2022年6月22日 22時
