ずっと前から貴方のことが（yg） (ページ15)

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「あのときみたいに

手、繋いどく？」

そう茶化して言ってくるから

「いいよ」

そう言って、ふざけて慎太郎の手を取った。

「耳、真っ赤だよ。

照れてるの？たろ」

慎太郎は照れてねーし、と反対側を向いた。

あの頃は少しだけ、私の方が高かったのに

いつの間にか追い越されたな。

私もそこまで低い方ではないのに

それでも身長差は10センチ以上あるんだから

逞しくなったよなあとしみじみと思う。

「じゃあ、またね」

「うん、お腹出して寝るなよー」

「たろじゃないんだから

私はそんなことしませんよーだ。

おやすみ、たろ」

「おやすみ」

そう言って歩きだした慎太郎。

今度は私が、慎太郎が見えなくなるまで手を振った。

正直、手を繋がれた時はびっくりした。

手、ちっちゃかったな。

Aとは、小さい頃からずっと一緒だった。

横にいすぎて、いることが当たり前で

きっとあいつは俺のことをただの幼馴染だと思っている。

だから俺は、これからも最高の幼馴染を演じ続けるよ。

俺、あいつの笑顔が1番好きだから。