ずっと前から貴方のことが（yg） (ページ14)

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あのときは確か,,,

「ばいばい！たろ！」

「A、ばいばい！またあしたね！

きをつけてかえってね！」

ばいばーいと、私が見えなくなるまで手を振ってくれていたっけ。

「わあ！ねこちゃんだ」

かわいいなあーと思って着いて行ったけれど

結局猫はいなくなって

気づいたら1人、知らない場所に立っていた。

ここはどこだろう、不安でいっぱいだった。

歩き回っていつもの道を探したけれど

戻ることはできなくて

「まま、ぱぱ、どこ？

たろ、たすけて、こわいよ」

空き地みたいなところに座り込んでしまった。

「慎太郎、Aちゃんって30分ぐらい前に帰ったわよね？」

「うん、ばいばいってしたよ」

ママは何でそんなに当たり前のことを聞いてくるんだろう。

一緒に見送ったじゃん、って思ったけど

「おかしいわね、まだ帰ってきてないって」

それを聞いて、何だかよく分からなかったけれど

Aが泣いてる気がしたんだよね。

「まま、しん、Aのこと探してくる！」

たぶん母さんは危ないからって止めてたんだけど

俺は必死だったから、そんな声なんて聞こえてなくて。

Aがいる場所なんて検討もつかなかったけれど

とりあえず、家を飛び出した。

「Aー、どこにいるのー？」

外もだいぶ暗くなってきてたし

そんなに暖かいころじゃなかったから

子供ながらにやばいって思ってた。

「たろ,,,たすけて,,,」

そんな声が聞こえてきた。

めちゃめちゃ小さい声だったんだけど

間違いなくAだって思って

「A！まってて！！」

そう言いながら、その声の方に走った。

「A！！みつけた！！」

「たろ？」

座り込んでいたAは、顔を上げて俺の顔を見た瞬間に

声を上げて泣き出したから

俺は抱きしめて頭を撫でてあげた。

「こわかった！！」

そうやって泣くAを見て

俺がこの子を守っていこうって心に決めた。

その後、もう迷子にならないように

2人でしっかり手を繋いでAの家まで送っていった。