ずっと前から貴方のことが（yg） (ページ13)

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たろはヒーローページ13

「たろー遅いよー」

「荷物全部置いていったやつがよく言うよ

しゃ、帰るか！

母さんー、A送ってくる」

「たろママ、お邪魔しました

ご飯もすっごく美味しかったです」

「またいらっしゃい！

Aちゃんならいつでも大歓迎よ」

ばいばいと手を振り家を出る。

「たろ、別に毎回毎回送ってもらわなくても

私迷子にならないよ？」

方向音痴の私は、小学生のころに

たろの家から帰る道が分からなくなり

迷子になったことがある。

それからは、毎回たろが家まで送り届けてくれるの。

「いや、絶対また迷子になるね。

こんな時間に女の子を1人で歩かせるなんてできないし。」

何だろう、今ちょっとキュンとした。

｢やだなあ。何歳だと思ってるの？」

あはは、と笑って誤魔化しておいた。

慎太郎と私の家の距離は歩いて3分くらい。

走ったら1分くらいかな？

この距離で迷子になった小さいころの私。

そりゃ心配されるか。

「そういえばあの時、たろが私のこと見つけてくれたんだっけ。」

「だってAのお母さんからうちに連絡きてさ。

家出てから30分くらいたってたから

さすがにおかしいってなって

みんなで探したんだよ」

「ヒーローみたいだったなー。あのたろ。」