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ギャップ王子52 ページ4

マイクに通した声が、より一層俺の耳に強く届く



視界がぼやけてきても、みんなの方を見るのが怖いから丁度良いなんてバカな事考えた



...でもこれは、俺の伝えたい事だ




もう、...どこにも逃げないから





A「こんなのうのうと生きてる怠惰な奴、俺だったらぜーったい応援しない!!...



...でも、俺の周りには、気づかせてくれた奴らが居た」





あぁ、ダメだ


声は震えるし、涙が零れそうなのを我慢する程喉は潰れそうになってしまう





A「失敗は成功のもとって言うだろ?後悔も懺悔も次に進むための準備なんだって、教えてくれた。


......自分じゃ気づかない程、誰かに揺さぶられてる、おかしくなってる。...そう言われた」




今度は誰かが頭に手を置いて、優しく撫でてくれた



静かな会場。それはみんながじっと聞いてくれている証拠なんだろう





目を背けて、全てを捨てて逃げ出そうとした俺に愛をくれた恩返しをしないといけない



誰より深く、



愛を込めて。





A「さっきも見た様な普通なのじゃつまんない。だったら、適度に暴れて狂っちまえばいい。

...今まで受けた愛を忘れないように、なら、...きっと!!」








ついには頬を伝って顎の先へと溜まってしまう



お陰で視界は少し晴れた








...胸元で灯る、俺の色のサイリウムを見つけた







A「今までずっと...ごめんな。変な奴で、弱虫で厄介者でしかないこんな俺のファンで居てくれたやつ。


...もう逃げない、ちゃんと謝るから、




もらった分百億倍にして愛してるって返すから!!!


...こんな俺でも、...また。よろしくしてくれるかなぁ...っ」







ぽたりと一滴落ちてしまった



その音さえも聞こえる筈の空間は、ある音で掻き消され、それと同時に身体に衝撃が走った









「「おかえりーーーーっ!!!」」





「「泣かないでーーー!!!」」





「「Aくーーーーーーん!!!」」






夏目「フフ...ほら、大丈夫だったでしょウ?A兄さん♪」



渉「よく頑張りました。一歩踏み出せた事が大きな成長ですよ♪」



零「泣くから鼻が真っ赤になってんぞ。...よしよし、おかえり。...抱きついてきてもい〜んだぞ♪」





目の前から聞こえてくる大きな声が、更に涙を溢れさせる



震えていた足も声も、嗚咽に代わってもうめっちゃくちゃ。



手を握ったり、頭を撫でてくれる誰かに抱きついて顔を埋めてた





A「〜っ...うっ......っ」




宗「...おかえりとでも言っておこうか。」ぎゅう

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作成日時:2019年7月25日 3時

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