【あんスタ】誘惑王子に逆らえない

誘惑王子1 ページ2

低血圧の中、目覚まし時計を４つ程叩いてずるずると支度をした後



登校中の事。





「あのっ、あのっ...Aくん!良ければ学院の門まで一緒に登校しても良いですか?」




「Aくん!今度のライブ絶対行きます!だからファンサービス欲しいなぁ...なんて」




「ちょっと、私が先よ!」






学院まで後50メートルなのに、若干寝ぼけた俺の視界に映る女の子達はこうも元気にくっついて歩いてくる




俺から見たらこんなに小柄なんだから、小動物に足元を固められて踏み潰してしまいそうで歩きにくい





...朝は苦手なんだけど...しょうがないかぁ







A「こら、前見て歩きなさい。...危ないでしょう?」







立ち止まって少し屈んだら、人差し指を出して「めっ」のポーズで告げる



猫に怒る時にやるやつだけど...効果はあるかな?





「っ...きっ...」





A「き...?」





「「「きゃーーーーっ♡」」」





ありゃりゃ、目がハートになっちゃった...。




でも可愛いね。顔もりんごみたいに真っ赤っか...♪




さっきまで喧嘩していた女の子達がきゃっきゃと嬉しそうに話しているのを見届けて、前を歩く彼に追いついて声をかけた




A「つむぎ...おはよう」



つむぎ「ん...?Aくん!おはようございます」



A「ふふ...♪...ネクタイ曲がってるよ?」



つむぎ「え、本当ですか?」




つむぎの手が自身のネクタイに触れる前に、俺が「うん」を言い終わる前に首元に手を伸ばす


少し調整して直したら、首から顎のライン、頬を手でするりと撫でて


おでこをこつん、と合わせ微笑んだ




A「つむぎ。...今日もかっこいいね。...惚れたらどうしてくれるの?」



つむぎ「え...あの...Aくん!?惚れたらって...まさか...っ」




女の子みたいに真っ赤になっちゃって、可愛いね


少し動いたらキスできるのにね?危ない危ない...♪




A「期待はまだ取っておいたほうが良いよ。
ほら...教室まで行こう?遅刻しそう」




だめだめ、俺の愛はみんなへのプレゼントだから


恋人なんて、






作らないよ




つむぎ「〜っ...わかってて言ってるんですよね...?」




A「ふふっ、もう一回ネクタイ直す?」




つむぎ「も、もう良いです!恥ずかしいので...」

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