誘惑王子50 ページ3
「まおおにいちゃん...?」
真緒「おう!...よしよし、合ってるぞ〜♪」
A「真緒お兄ちゃん...名前は呼んでくれないの?」
真緒「えっ、今お兄ちゃんって......な、名前!?」
名前を呼ぶと、凛月から降りて駆け寄ってきた小さなA...先輩を抱き上げると、今度はA先輩がにこにこしながら問いかけてくる
お願いだから凛月は俺の脇腹を殴らないでくれ!!
そしてA先輩は期待を込めた瞳でこっちを見ないでください...!
今のところ、大人しくしてくれるのは小さいA先輩だけ...
「ちゅ!...えへへ♪...ねぇねぇ、げんきでた...?ぼく、おまじないできるんだよ...♪」
真緒「んんん”ん”!!!」
じゃなかった!!!
この人昔から誘惑王子だったのか?って考えるレベルで惑わせてくる
眉を下げて微笑む顔は今も変わらず...
白い肌に薄いピンクの唇、色素の薄い髪に人形のように整った小さな顔は誰が見ても『美少年』だと言うだろう
それが今は、俺の目の前で悪ノリをする誘惑王子に...
A「ふふ...♪...じゃぁ、次のとこ行こっか。
ほら、拗ねないの。......凛月くん、」
凛月「....っ!?」
小さいA先輩を抱き上げたまま、「またね」と凛月のおでこにキスをする
驚きとも嬉しそうともとれる凛月の顔を見て、「うん、可愛いね」なんて微笑んだ
歩き去っていくA先輩の肩から顔を出して、小さなA先輩が手を振ってくれた
んん可愛いなああ...!!((
...ていうか、マジで弟じゃないのか?
凛月「.......っ...バカ...」
真緒「いや...妹がいるとは言ったけど、弟とは言ってなかったな」
.
A「にしても...どこから来たんだろうね?...あんまり連れ回すと、ボロが出ちゃうかもしれないし...」
「...?ぼろってなあに?」
小さい時の記憶なんてあまり無いけど、唯一覚えているのは『人が好きだった』こと、
こんなに懐くってことは、家族の仲が良かった頃だと思う
これが夢でも良い。...信じがたくて不思議だから。
A「......何なんだろうね」
ぎゅう、と温かい身体を抱きしめると、小さな手で頭をぽんぽんされた
突然のことにびっくりして顔を見たら、後ろから声が聞こえた
奏汰「おや...?...Aが『こども』といっしょですね」
斑「もしや迷子かもしれない!おおい、Aさああん...☆」
A「...うん?」
「だあれ...?」
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作者名：朝凪世一! | 作成日時：2020年5月1日 15時
