奇人勝りのギャップ王子〈ご?!〉【あんスタ】【男主】

ギャップ王子203 ページ9

A「てことで、俺は一時的に帰国!でも仕事終わったら帰る!あっ、でも仕事中も帰るかも?も〜よくわからん!!でもお仕事頑張るぞ〜♪」




ばっ!!と腕を高く広げて、開いた手のひらから紙くずが舞い落ちる



勢い任せに告げられた内容に一同停止すると、その目の前でせっせと先程の紙くずを拾い集める




一つにくくった髪を縛り直しながら、反応の無い彼らに目をやると...






レオ「.......ダメだ。」



A「え”っ」



嵐「こればっかりはアタシも頷きたくないわねェ」


A「え〜っ?.....な、何で?俺、お仕事楽しみだし、いっぱい頑張るぞ...?」





「だって...」と零すと、しゃがみこんでいたAと目線を合わせ、そっと背中を抱き寄せる




着物のせいで上手く動けない彼が、足を崩してもたれかかると、それでも愛おしく、寂しげに腕を回した





凛月「......いろんなお仕事が増えて、バラバラなのは仕方ないし、良い事だけど。



...働きすぎの王子さまを、騎士たちが放って置けるわけないでしょ。卒業したからって、自由なのは確かだけど、...俺たちから離れすぎるのはダメ。」




司「えぇ。全くその通りです。貴方はどれだけ私たちを困らせたら気がすむのですか?
...わかってるつもりでも、全然わかってない。」





泉「結局さぁ、俺たちだってこうして海外行ったり来たりだけど、あんたの場合は帰ってこなすぎ。半年も音信不通の奴を、そんな簡単に見送るわけないでしょぉ?」







「ねぇ。」と佇んでいた彼女にふると、こくこくと頷く




優しい声をかけた彼の、背中に回した腕は微かに震えていて



抱きしめられながら、声色と表情の一致しない彼らを順番に見つめる





しばらく沈黙が続くと、そっと身体を離して問いかけた






凛月「Aは、.......俺たちに会えなくて寂しく無かった?...ふふ、俺たちはねぇ、ず〜っと寂しかった。半年も音信不通なんだよ...?怖いし寂しいし、いつでも泣きそうなくらい。

ねぇ、A。......俺たちはね、ずっとAが帰ってくるのを待ってたんだ。」








今度はジャッジメントもしなくていいの。






戦わなくても、側に居られるから。







凛月「......Aの居場所、ずっとここにあったんだよ。...帰らない王子さまの帰りを、小さな王さまと騎士たちが心配して待ってたの。



...おかえり。俺たちの騎士(王子)さま。」





A「......た、




.....ただい、ま...」






耳まで赤くして、らしくない表情をして縮こまる彼を、愛おしそうに抱きしめた。

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